アレンジCD『活動報告2010』より『Battle to the Basic』

『Battle Theme』は、まんまな曲名が示す通り、最も基本となる戦闘曲です。
戦闘曲はフィールドとダンジョン（大雑把には、屋外と屋内）で異なりますが、
こちらはフィールドでソロ戦闘、つまりパーティを組まずに一人で戦うときの曲。

また、一人で敵と戦っている最中に仲間がやってきて、その場でパーティを組むと、
ソロ戦闘曲からパーティ戦闘曲に、すっ、と切り替わるのも、
オンラインRPGらしい印象的な瞬間ですね。

そんな曲をレトロにアレンジするなら、やっぱりイントロはコレですよね、と。

ファミコン時代のFFを改めて色々と聴いてみたところ、
FF1や2の曲って、ノイズを使わずに3音だけで作られていて、それはそれで凄いのですが、
FF3みたいにノイズも使いたいのと、個人的にもFF3への思い入れが強いので、
この曲の場合、特に3の通常戦闘曲を参考にしました。
イントロではFF3独特の、バスドラやタムらしき音を再現してみたり。
（ちなみにバスドラは矩形波を極端に短く切って、タムは矩形波とノイズを重ねています）
また、原曲の『Battle Theme』のリズムのままだと、
どうもファミコン時代のFFバトルっぽい雰囲気にならなかったので、リズムは変えています。

曲の終盤に出てくる「ポロロロロロ......」という高速アルペジオはレトロ音源独特の表現で、
聴きようによってはかなり無理矢理な技法だと思うのですが、
個人的には「これぞレトロ音源」という感じで面白いと思っています。

当時は、ファミコンに限らず、
サウンドボードなどの音源を持っていないパソコンなんかでも、
唯一鳴らせる『音源』であるBEEP音（エラーが出たときにピーと鳴る音）を使って、
音程を作るばかりか、高速アルペジオで3和音とか鳴らして頑張ってたりしましたね。
（ご参考までに、たとえば...『Bio_100% ミュージックアーカイブ』で聴けるような感じ）
当時小学生や中学生だった筆者は、
それを『苦し紛れ』ではなく『そういう、カッコいいもの』として聴いていたのでした。