「FFXI サマーカーニバル2005」の続き。ずいぶんお待たせしました。サボってました。
当サイト内の過去の記事は、カテゴリー:「SUMMER CARNIVAL 2005」からどうぞ。
記事に関連するMIDIデータ(BGMにどうぞ)
→ 「Conflict: You Want to Live Forever?」
コンフリクトとは、プレイヤーキャラ同士が対戦するFF11内のゲームのこと。
そして、バリスタとは、コンフリクトのうち、現在行われている唯一の競技。
オンラインゲームでできることといえば「協力」と「対戦」ですが、
直接の「対戦」ができるゲームは、FF11ではサービス開始後2年を経て追加、
さらに、「プロマシアの呪縛」からは、専用の戦闘曲2曲も加えられました。
これはそのうちの1曲です。
「攻め」が中心となるモンスター相手の狩りとは異なり、
人間同士の対戦では、ときにはクールに「守り」や「逃げ」も必要となります。
そんな心理的駆け引きのゾクゾク感を表すような曲。作曲は水田直志さん。
バリスタのルールなどについては、ここでは触れません。
今回は、ルールを知らなくてもなんとなく伝わるように書いているつもりですが、
ちゃんとルール等を知りたいという方は「バリスタマンドラゴラ」様が、おすすめ。
■ 1.
話は「サマーカーニバル2005」の前日にさかのぼるのです。
いま、東京に来たからには、FF11がらみで、話のタネに行っておきたい場所。
それが、FF11専用のネットカフェ、あるいはテーマパーク、の「REAL VANA'DIEL」。
秋葉原の路地の中、かなり奥まった場所にあります。
このサイトの地図を見てもうっかり迷いそうです。
ちなみに、Google Earthを使って案内してみるとこんな感じです。
(Google Earthについても、1エントリー使って長々と書きたいぐらいですが、
あまりにも当サイトに関係がないのでまあいいかなと)
※ Image (C) 2005 The Geoinformation Group
だいたい上が北です。路地を奥へ奥へと・・・曲がっていくと入り口が見えてきます。
(※以下の案内は8月末現在なので、いまは変わっているかもしれません、ご注意を)
(1)のところで最初の看板が。(写真は前方が南の方角です)
(いまは平日24時間営業ではなくなっているので、看板が変わっているかも・・・)
(2)が建物の入り口ですが、そこに、この看板が。
案内が出ているので、階段を登っていきます。
見知らぬ街で夜、暗い階段を登っていくのはスリルがあります。
ここが入り口。中は撮影禁止です。
入ると、店長の中島さんがいらっしゃって、この↑会員証を作ってもらいつつ、
明日のイベントを見に行くために関西から来たんですよーとかちょっとお話をしました。
ちなみに、夜はコスプレな女性の方はいらっしゃいません。
時間は夜9時頃でしたが、20席ぐらいの中に、数人の先客が。
さすがに少ないなあ・・・などと考えつつ、靴を脱いで箱に入れ、
靴下で店内を歩いて、席の下に靴箱を置きます。
じつは、「REAL VANA'DIEL」でいちばん良かったのは、
FF11用にチューンされた高性能PCでも、FF11の世界を再現した喫煙所でもなく、
靴を脱いで、靴下で店内を歩けることでした(笑)
このおかげで、ほとんど自宅並みにだらーっと、くつろいでました。
飲み物を取りに行くのも、足を組んだり崩したりするのも、いちいち足元に気をつかわなくて良い!
うふふふふ、ずーっと居たい感じです。
「REAL VANA'DIEL」の床はカーペットでしたが、
「和室のインターネットカフェ」なんてのがあったら行ってみたいです。
逆に、「REAL VANA'DIEL」の注意点は、パソコンでFF11以外に何もできないこと!
他のゲームはもちろん、Webサイトの閲覧もできません。
そして、客数・席数のためでしょうが、料金がややお高め。
そもそも、ネットカフェというより、オフ会などで集まってFF11を遊んでもらうことに主旨があるみたい。
店内には、数々のFF11グッズとか、閲覧自由のFF11攻略本・関連本コーナーとか、掲示板とか。
その中には、当サイトの写真コーナーでご紹介したこともある、
「芝鯖の漫才師」ことYukihideさんと、店長の中島さんとの写真も貼ってあります。
お二人はこれまでに二度飲みに行った仲であるらしい。(Yukihideさんのブログより)
そんなわけで、まあ、せっかく来てすぐに帰るのもつまらないので、FF11をやりましょう。
ここのPCには、FF11日本語版と英語版の両方が入っています。
話のタネにと、筆者は持っていない英語版でヴァナ・ディールにアクセスしてみましたが、
日本語の文字は見えるのに、自分では打てない! ひらがなも出ない!
アルファベットで会話し続けるのはさすがにしんどかったので、
一旦終了して、慣れた日本語版に戻しました。
パーティを組んで、しばらく戦闘しますが、コントローラが違うためにちょっと苦労。
コントローラには、USB接続のゲームパッドを使うのですが、
これが、いつも使っているPS2のコントローラと微妙に操作感が違って・・・
何が違うんだったか、メモを残していなくて忘れてしまったのですが・・・
たしか、十字キーの角度が違うんだったかな・・・
どうも、最初は思い通りに操作できなくて、戦闘に苦労しました。
ちなみに、この「REAL VANA'DIEL」のパソコンですが、じつはその翌日には、
「サマーカーニバル2005」の会場である日本青年館に運び込まれて、
「バリスタ・ロワイヤル」の対戦のために使用されたのです。もちろんコントローラも。
なので、「バリスタ・ロワイヤル」の参加チームのメンバーでも、
ふだんPS2のコントローラを使っている方々は、まず操作に苦労したのではないか、
あっ、いま操作ミスしたのはコントローラの所為じゃないか、とか、
試合中は、そっちのほうも気になって見てしまいました。
どうだったのかなあ。
話を前日の夜に戻しますと、
これから夜も深まるという時間に、なぜか続々とお客さんが増えてくる。
ついには、20席ほどの店内がほとんど埋まってしまいました。
時刻は夜11時過ぎ。
知り合い同士で来たりしているらしく(まあ普通そうだよな)、
プレイしながら、ゲーム内でなく口頭で話し合っているのが聞こえる。
筆者は、相変わらず、ゲームの中で、
カニのモンスターと戦っているパーティメンバーのために、魔法のかかった歌を歌う。
ハッと気づいた。店内いっぱいにあの音が響き渡る。バリスタの試合開始のファンファーレ。
(→ MIDIデータ 「Conflict: You Want to Live Forever?」)
さっきどかっと増えた、男女入り混じるお客さんたちが、
いっせいにバリスタの試合を始めたのでした。
バリスタの試合には大きく分けると2種類ありまして、
1つは、決められた時間に集合すれば、ライセンス所持者なら誰でも参加できる、バリスタ公式戦。
もう1つは、スタジアムを借り切って、仲間内で対戦する、通称・箱庭バリスタ。
この人たちは、全員一緒に箱庭バリスタを始めたのでした。
こうなると、目の前の画面の中の戦闘よりも、
画面の外で起きていることのほうが気になって仕方がありません。
こういうタイミングなので、明日の「バリスタ・ロワイヤル」の参加チームが、
実際に使うパソコンで、直前トレーニングでもやってるのかな、と思ったのですが、
バリスタの競技ルールを、
(もちろん口頭で)尋ねたり答えたりしている様子をみると、どうもそうではない。
このプレイヤーたちのバリスタ熟練度も様々であるらしい。
「REAL VANA'DIEL」では、この当時、平日の23時以降に利用開始したお客さんのみ、
オールナイトで比較的安い料金プランがありました。(現在はありません、残念ながら)
平日の、というのがポイントで、つまり、平日でない日の前夜でも、
金曜の23時~23時59分に利用開始すれば、土曜の朝まで安く遊べるということ。
(と、店長さんが教えてくれました。繰り返しますが、現在はできません、おそらく)
なるほど、そのタイミングを狙ってこの人たちはいっせいにやってきたのか、
もしかすると、こんなちょっとした裏技? を知っているということは、
毎週、大勢で来て遊んでいるのかもしれないな、などと考えていました。
それにしても、口頭で声を掛け合いつつ、ときに罵りあいつつ、
大勢でFF11をやっている、対戦している、楽しそうな姿は、羨ましい限り。
混ぜてくれよ、と言いたいぐらいでしたが、全然知らない人たちですし。
それ以前に、ワールドが違うみたいなので一緒に遊びようがないし。
(※ワールド:一般にはサーバとも呼ばれる、30個ちょっとほどの、互いに行き来できない世界)
こんなバリスタの試合も、世の中にはあるのだなあ、とため息をつきました。
「バリスタ・ロワイヤル」の準決勝の前に、
スクウェア・エニックス社のバリスタ開発スタッフの方は、バリスタのことを「スポーツ」と呼びました。
バリスタは、「殺し合い」ではもちろんなく、ゲーム中で表現されている「模擬戦」もピンとこず、
何よりも「スポーツ」だ、ということ、バリスタをやる人間ならば感得されていることと思います。
この感覚、バリスタをしない方には伝わっているでしょうか?
数百を数えるチームから勝ち抜いてきた4つのチームが対戦する「バリスタ・ロワイヤル」が、
会場の日本青年館のすぐ近くにある、国立競技場でのサッカー日本代表の試合だとすれば、
ここで行われている箱庭バリスタは、近所のコートでやってるフットサルみたいなもんかもしれない。
(うちの近所にフットサルコートはないけど。)
でも、「スポーツ」ならばその両方が必要だし、両方とも美しい。
ということを考えたときに、バリスタを楽しむ一人であるつもりの筆者は、
試合勝利と試合敗北のジングルが同時に鳴り響いている中で、ふと思ったのですよ。
なんだ、バリスタってもう成功してるじゃないか。
※写真は通常のバリスタ公式戦で、「バリスタ・ロワイヤル」とは関係ありません
■ 2.
次の日、日本青年館の壇上にバリスタの猛者たちを見ていました。
準決勝・第一試合には、地元(同じワールド)の選手たちが出場していました。
つまり、ゲーム内で共闘したり対戦したことのある人たちが壇上にいるわけですが。
いやしかし、容姿端麗の人だけが会場まで出場しに来たのかと勘ぐりたくなるぐらい、美形揃いですね!
(両チームメンバーの半数ほどは、会場でなく自宅などから試合に参加していました)
我が地元チーム「Imperialguards」と、対戦相手の「Onipower」チーム。
「Imperialguards」は、2人の竜騎士が試合毎に交互に出場して中心となり、勝ち上がってきた。
「Onipower」は、準決勝進出4チームの中で唯一、シーフが所属しており、前衛4人の超攻撃的構成。
どちらも個性的な編成で、
バリスタには未だ「かくあるべし」という固定観念の薄いことが感じられます。
試合は序盤から早い展開。
これまでの試合では、守備の要として、複数の敵の攻撃に耐えて時間を稼ぐことに成功していた
「Imperialguards」の白魔道士が、まさかの戦闘不能。
4トップの破壊力に屈したのでしょうか。
その後も、「Onipower」自慢のアタッカーたちが、ぴたりと貼りついて白魔道士に仕事をさせない。
白魔道士は何度も戦闘不能に陥り、結果として相手に得点チャンスを与えてしまう。
これまでの「Imperialguards」の試合もいちおうは見てきた筆者ですので、
「こりゃ今までとは違う・・・まずい・・・」と焦りを感じました。
何度も、「耐えろッ!」と叫びそうになりながら、
会場の声援の少なさと自分の臆病さのために、どうしても一歩を踏み出せず、
叫べなかったことは、今でもしょっちゅう後悔しています。
その、会場の空気。
「バリスタの試合を、大勢の人間が空間を共有して、観戦する」という状況は世界で初めてだったでしょう。
どんな風に観戦したらいいのか? じっと見つめるのか? 声を上げるのか? どんな声を?
会場は、困惑していたように感じました。
時々、声が上がる。凄いプレーには、しぜんと拍手が起きる。でも、そこまででした。
ここは、司会の、ルパン小島さんとあらじ谷塚さんに頑張ってもらいたかった。
試合に見入ったり、カメラワークに注文をつけたり、漫才をするよりも、
会場に、観戦・応援の仕方を教えてあげて、声援があふれるようにしてほしかった。
もちろん、このお二方は、ゲーム雑誌の編集者であって、
こんな場で、舞台の上で、ちゃんと喋れるだけでも凄いことではあるのだけれど。
たぶん、そんなことができるのは、プロフェッショナルな扇動者だけかもしれません。
しかも、バリスタを熟知し(熟知しないと、狭いゲーム画面だけでは試合状況がわかりません)、
バリスタを楽しめる司会者でなければいけない。
そんな人が、果たして日本中探しても居るのかどうか、とは思います。でもね・・・。
そんなようなことは、イベント終了後、アンケートにも書いたと思います。
そして結果は、21対28で、「Imperialguards」敗れる。最後に追い上げたものの、僅差といえる敗北。
「Onipower」は、これまでの試合と同様に、
4チームの全メンバー中、唯一の、シーフがポイントゲッターとして活躍し、得点王となっていました。
シーフ命、シーフ魂の持ち主である筆者としては、その働きぶりも気にしていました。
「彼は全ワールドで一番バリスタのうまいシーフです」という、
「Onipower」チームリーダーの言葉が格好よくてしょうがない。いいなあ。
※へたれ筆者の自己記録は「シルバー・バリ☆☆スター」。バリスタ公式戦・総合3位入賞。
奇跡満載。
■ 3.
準決勝・第二試合は、「Lovehame」チームと「Highpower」チームの対戦。
「Lovehame」チームは、確かメンバー全員が会場からの参加でした。
(他のチームは、一部の選手が自宅などから参加していました)
しかも、控え選手(選手交代はないので応援のみ)も舞台に上がり、
椅子を並べて座っているという熱気ぶり。
熱気は舞台の上だけではありません。
観客席からも、明らかに計画していたと思われる、組織立った応援が飛びます。
その熱気に煽られて、いくらか声援の量も増えました。
試合結果は意外にも圧倒的な点差、42対0で「Lovehame」チームの勝利。
ごめんなさい、この試合はあまり覚えていません・・・。
そして、決勝戦、「Onipower」チームと「Lovehame」チームの対戦は、
これまた意外にも、33対0の大差で「Lovehame」チームの零封勝利。
点数だけを見るとワンサイドゲーム、しかも準決勝と同じような・・・という、
初めて開かれる大会にとっては、そしてバリスタ振興にとっては、不運な結果ではありました。
もしかすると、バリスタというものは、
「Lovehame」チームの戦術を真似れば勝てるゲーム、という印象を与えたかもしれません。
「Lovehame」チームの戦術は・・・と書こうとしているのですが、
筆者はバリスタの戦術レベルのことをきちんと書けるような識者ではありませんので、
非常に大雑把な印象だけを述べさせていただきますと、
白魔道士が、相手チームの選手を多数ひきつけながら、倒されないように耐え続け、
その間に、他の場所で数的優位を作って、数の少ない相手選手を一人ずつ倒す、というもの。
これ、我が地元の「Imperialguards」チームも、ここまで毎試合、同じことを狙ってきていたと思います。
しかし、こちらは決勝戦で完封された「Onipower」チームに敗れています。
戦術が全てではない、ということでしょう。
では、「Imperialguards」と「Lovehame」の違いは何だったのか?
白魔道士が序盤に倒されたか、最終盤に倒されるまで耐えて・逃げての繰り返しを続けられたか、
の違いは大きいと思いますが、それだけなのでしょうか?
もちろんここで答えなんか書きようがありませんので、
明日発売の「ヴァナ・ディール通信 サマーカーニバル2005特集号」(→ enterbrain / → Amazon)
を読んで、そこに書いてあるかもしれませんし、
書いていてもいなくても、DVDに収録されているであろう、試合映像を見て、考えてみたいと思います。
※「バリスタ・ロワイヤル」をイメージしたと思われるポストカード(作画:寺田克也さん)
入場者に入り口で配られました。
■ 4.
「バリスタ・ロワイヤル」の、どこでだったか忘れましたが、
次は世界大会かもしれない、といった話題がありました。
実際に、現在はアメリカで「バリスタ・ロワイヤル」の予選が終了し、
全32ワールドの各代表チームが、トーナメント形式の本戦を始めようというところです。
http://na.square-enix.com/events/ffxi/ballista/2005/schedule.html
もしかすると、日本代表とアメリカ代表が世界選手権で激突! ということになるかもしれません。
(FF11にはヨーロッパ地域での運営もあるのですが、「バリスタ・ロワイヤル」はあるのかなあ)
そして大会ときたら、我らが? 「スターオニオンズ」も登場でしょう!
水田直志さんは、以前のインタビューで「できれば海外公演もやりたい(笑)」と仰っていましたが、
この慎重かつ冷静なお方が、ぼそっとでも口に出すということは、
けっこうマジで考えていらっしゃるか、あるいはもう話が始まっていると想像します。
まず、可能性としては「バリスタ・ロワイヤル」アメリカ決勝大会ですね。
アメリカまで「スターオニオンズ」を見に行けるだろうか・・・。
今は無理だけど、その頃には行ける状況になっているといいなあ(笑) とか妄想します。
そう、実際のところ筆者は「スターオニオンズ」に会いたくて東京まで行ったのです。
「バリスタ・ロワイヤル」はおまけにすぎません。
それでも、「バリスタ・ロワイヤル」を生観戦できたことは、楽しかったですし、
同時にいろいろなことを考えさせられました。
なにより、初めての大会というのが、全く何が起きるのかわからなくて、面白いじゃないですか(笑)
今後、良くなっていく余地しかないですから。
でも、次はあるのかなあ・・・。