2006年9月27日 21:30

ゲーム音楽コンサート「PRESS START 2006」記

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歩きつづけで疲れました。
今回は、コンサート「PRESS START 2006」と、
東京ゲームショウ2006」でそれぞれ記事を立ててみようと思います。

まずはコンサートの話です。
こちらは、撮影禁止ということもあって、写真はありません。
(外の写真ぐらい撮っておけばよかったなあと思いましたが)

コンサートは内容も濃く、とても楽しいものでした。
ただ、日本のゲーム音楽ファンとしては、もうひとつ別な想いもあります。

今回の仕掛け人のおひとり、植松伸夫さんは、ずっと以前から、
「海外ではゲーム音楽ファンが自らコンサートを企画・実行しているのに、
なぜ、ゲーム音楽の本場、日本のファンはやらないのか」
ということを仰っていました。
今回のコンサートは、植松さんが"しびれを切らして"企画した、と、
まあそういう方ではないかもしれませんが、そのぐらいに思っています。

だから、ゲーム音楽ファンはこれに応えなくてはいけないでしょう。
自らコンサートを企画する、というところまではできなくても、
次の「PRESS START」をただ待つのではなく、積極的に関わるとか。
とはいえ、日本のゲーム音楽ファンには、
まず「大規模なコミュニティ」という基点がないのが難しいです。
(その点、英語では、有力なゲーム音楽コミュニティサイトがいくつかあり、
海外でのゲーム音楽コンサート開催に関わっていたりします。
なんだか、FF11の状況にも似ている気がするなあ...。)
財力も能力もない自分にできることっていうと...
迂遠でもやっぱり、海外のゲーム音楽ファンの方々に
もっといろいろ話を聞いてみることでしょうか。
少し付き合いのある方々を見ても、行動力が凄いんですよね。

指揮:竹本泰蔵さん
オーケストラ:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

司会:田中理恵さん
(声優の方。ゲームファン、コアなネットゲーマーとしても知られているとか)

コンサート企画者:
植松伸夫さん、桜井政博さん、酒井省吾さん、野島一成さん、竹本泰蔵さん
(作曲家が2人に、ゲームデザイナー、シナリオライター、指揮者といろんなフィールドから)

ゲスト(演奏あり):
窪田晴男さん(エレキギター)、木村真紀さん(ボーカル)、伊藤賢治さん(ピアノ)
(伊藤さんは自らの曲でオーケストラと共演)

ゲスト:
糸井重里さん、甲田雅人さん、柴田徹也さん、大島ミチルさん、近藤浩治さん
(糸井さんは告知なしのサプライズゲスト。あとは演奏曲の作曲者の方々)


会場のオーチャードホールは、2年前に「TOUR de JAPON」の東京公演でも使われていました。そのときは、オーケストラの音をそのまま響かせていたのですが、今回は、ボーカルやエレキギターを使う関係か、オーケストラの音を一度マイクで拾って、スピーカーから流す形になっていました。(...よね?)
スピーカーからは少し離れた1階席でしたが、特殊な編成の曲などで、ちょっと音のバランスがおかしくない? ってところがあったのが残念ではありました。演奏者たちを間近で見られる、という点を除いては、2階席・3階席のほうが良かったんじゃないかなあ。

01. MAIN THEME from "METAL GEAR SOLID 2 -SONS OF LIVERTY-"
作曲:TAPPY 編曲:Harry-Gregson-Williams オーケストレーション:山下康介

MGSシリーズはやったことがありませんが、もちろんこの曲を耳にする機会は多いです。
もともと純粋なオケ曲じゃないはずですが、オケの持ついちばん大きな力、人と音の数を活かしていて、オープニング曲には最高、持っていかれました。

MC(田中さん・桜井さん)
・桜井政博さんと、司会の田中理恵さん登場
・田中さんはニンテンドーDS Liteを収集中、ブラック以外全色持っているらしい
・海外のゲーム音楽コンサートで日本のゲーム音楽が幅広く演奏されているのに、なぜ日本でずっとそのようなコンサートがなかったのか?

桜井さんは「星のカービィ」や「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズなどの生みの親。自分の印象としては、優れたバランス感覚と徹底した完璧主義でゲームのすみずみまで、発売したあとの情報の流れのフォローまで気を使うひと。写真ではよく拝見するものの、初めて聴いた声は、想像より渋くていい声でした。
田中さんは声優。そのゲーム好きぶりはこの後もつぎつぎ披露されていくことになります。初めて知った方なので、ちょっと調べてみたところ、ネットゲーム、特に「ファンタシースターオンライン」や「FF11」のヘビーなプレイぶりでも知られているそうで、その縁で「ファンタシースターユニバース」のヒロインキャラの声もあてていたりと面白い方ですね。

02. 落ち物パズルメドレー from "メテオス", "ドクターマリオ", "ぷよぷよ", "コラムス", "パネルでポン", "テトリス"
編曲:中村暢之

「メテオス」と「コラムス」やったことなかったです...。
「パネルでポン」は気づきませんでした...ゲームキューブ版しかやったことない所為かなあ?
「ドクターマリオ」はFEVERとCHILLの2曲とも。既にスマブラアレンジがあったので違和感なかったです。
「ぷよぷよ」は「ひとりで~」「とことん~」の2曲。そういえば、見た目はコミカルですが、曲は正統派なポップ+クラシックなゲームだったなあと。
「テトリス」はゲームボーイ版(任天堂)、ファミコン版(BPS)、アーケード版(セガ)それぞれと、最後におなじみトロイカという4曲立て。バランス重視の選曲はたぶん、任天堂の持つ資産を優れたバランス感覚で「スマブラ」に仕立てた桜井さんのお仕事なのでしょう。

MC(田中さん・桜井さん・竹本さん)
・今回は70人ほどの規模のオーケストラ
・指揮の竹本泰蔵さんはサッカーゲーム好き
・サッカーゲームによるスルーパス操作の違いについて熱く語る(FIFAサッカーが良いと力説)
・でも人を撃ったりするゲームは苦手、ポポロクロイスのようなほのぼのとしたゲームは好き

指揮者の竹本さんもゲーム好き。FFコンサートでもFFにまつわる思い出を話しておられました。ちなみにFF11はベータテストの時だけやってらっしゃったとか。

03. ポポロクロイス物語
作曲:佐橋佳幸 編曲:中村暢之

メドレーだと思います。ゲーム未プレイのため、テーマ曲(?)はCMで聴いて知ってるなあ、泣きのメロディはツボだなあ、ほのぼのとしたイメージだったけどかっこいい曲もあるのだなあ、とかおバカなことしか言えません...。

MC(田中さん・桜井さん)
・プレステの名作RPGの曲でした
・任天堂の名作RPGといえば...(ポケモン、と桜井さんボケる)
04. MOTHERメドレー
作曲:鈴木慶一、田中宏和、酒井省吾 編曲:酒井省吾

"コンサートまでにMOTHER1+2とMOTHER3をクリアするぞ計画"を進めていたのですが、けっきょく2の途中までしか進んでいません、ので3の曲はわかりませんでした。
後ほどあった説明によると、1の「エイトメロディーズ」、2の「エイトメロディーズ」があって、シリーズ共通の「スノーマン」、あとは3から「LOG-O-TYPE」、「ポーキーのテーマ」、「愛のテーマ」のメドレー。
2まだ途中なのにぜんぶメロディーが集まっちゃったよ!
良いのですけど。
あ、スノーマンが大好きです。

MC(田中さん・桜井さん・酒井さん・糸井さん)
・酒井省吾さん、糸井重里さん登場
・糸井さんはカメラを手に写真を撮りつつ登場(写真は後でほぼ日刊イトイ新聞にアップされた
・「MOTHER3+」というCDが11月に出る
・大貫妙子さんの歌う「愛のテーマ」や、
・クレイジーケンバンドの、横山剣さん抜きの編成で「D.C.M.C.のテーマ」が入っている(この曲はボーカルいらないからね...と酒井さん)
・iTunesでもMOTHER3の15曲入りのサントラが出る
・「MOTHER3+」から、大貫妙子さんの歌う「愛のテーマ」をちょっとだけ流す(本邦初公開)

個人的に、今回のアレンジやアンコール曲は意外ではなかったので、今回のコンサートでいちばん驚いたのは糸井さんの登場。当ブログをちょくちょく読んでくださっている方はご存知かと思いますが、籠入りはほぼ日刊イトイ新聞の愛読者でもあります。
「はじめての落語。」のときも、カメラであちこち撮りながらのご登場でしたので(映像で見ただけですが)、「おおやっぱり糸井さんだ!」とかおバカな感想を持ちつつ。

糸井さん、酒井さんが出て行ってさらにMC(田中さん・桜井さん・窪田さん)
・ギタリストの窪田晴男さん(ビブラトーンズやパール兄弟でご活躍)登場
・最近ではアニメ「N・H・Kにようこそ!」の作曲
・オケとの共演は初めて
・リハーサルのときはオケが聴こえなくなって走ってしまったので今日はちゃんと
・リハーサルのときよりオケがずっと上手い、と窪田さん
05. SPLASH WAVE from "アウトラン"
作曲:HIRO 編曲:外山和彦 ギター:窪田晴男

エレキギターをフィーチャーしたオーケストラという編成で、さわやかに。
ギターには、オケとはべつにアンプとスピーカーを置いたので、最初のほうはバランスが拙くギターが聴こえませんでした。途中で窪田さんがアンプを調節していい感じに。
窪田さんは指揮の竹本さんより前で弾いていたのですが、ときどき振り返って、同じく振り返った竹本さんとアイコンタクトしているのが楽しそうでした。と同時に、テンポを保つのが難しそうでした。
ボーカリストの木村真紀さんが登場し、さらに続けて次の曲へ。

06. BEYOND THE BOUNDS from "ANUBIS ZONE OF THE ENDERS"
作曲:桐岡麻季 編曲:外山和彦 ボーカル:木村真紀 ギター:窪田晴男

いちばんスリリングで面白かった曲でした。
先ほどギターが入ってバランスが難しくなったところに、さらにボーカルが加わります。
しかも早口で難しいメロディ(むしろリフ?)を、テンポを保ちながら、ギターやオケとのバランスを考えて声量を調節しながら歌うという、難事を要求される歌唱で、かなりボーカルが聴こえにくい部分もありましたが、必死で歌っていらっしゃる姿が印象的でした。
そこで溜めまくったものを、サビで一気に解放して伸びやかに歌い上げ、ギターがハモりを加える瞬間が特に格好よかったです。

MC(田中さん・桜井さん・木村さん)
・この曲をライブで、なんて無茶なことをお願いしてすみません、と桜井さん
・ゲーム用のレコーディングのときには、台湾の奥地の山岳民族っぽい感じで造語の歌詞を歌ってほしいと言われた

木村さんは、ゲームに収録されたオリジナルの「BEYOND THE BOUNDS」を歌った方でもあるのですが、それでもライブで歌うのは難しかったと。とても緊張していらっしゃったというお話です。

木村さんが出て行ってさらにMC(田中さん・桜井さん)
・80年代は、アーケード、コンシューマ、PCゲームの3大勢力があった
・PCゲームの代表作がイース

そういえば、「イース」の作曲者のひとり、古代祐三さんは、今は無き雑誌「マイコンBASICマガジン」にゲーム音楽の打ち込みに関する連載をされていましたが、その雑誌上で、プレイヤー視点によるゲーム批評のはしりとなったと思われるコーナー「読者の意見 ホンキでPlay ホンネでReview!」に投稿していらっしゃった一人が桜井さんだったりしました。
「マイコンBASICマガジン」という雑誌自体が、その3大勢力のクロスオーヴァーする場所だったこともあって、たぶん桜井さんもそのことを思い出しながら話されていたのではないかなあ。
...まあ、だからどうということもないのですが、桜井さんの口から「80年代」「イース」って言葉を聞くとそんなことを思い出してしまったのでした。

07. イース from "Ys", "Ys II"
作曲:Falcom Sound Team JDK 編曲:山下康介

1のオープニングからフィールド、そして2のオープニングというメドレーでした。
「イース」っていうのはロックバンドが演ってもオーケストラが演っても同じように格好いいんだなあ、と思いつつ、
あれ、そういえばイース1と2のオーケストラCDは持っていたような...。


ここで休憩です。
マイケルサイトの(管)さんに、お会いしたいです! とメールを送っていまして、お会いできました。
ぽん吉さん描くところのイラストそっくりのナイスガイでした。
通路に出て少しだけお話を...FF11好きでさらにゲーム音楽好きな二人が語り合うには、まったく時間が足りないです(笑)


そして第2部へ。

MC(田中さん・竹本さん・桜井さん・野島さん・酒井さん・植松さん)
・コンサートの仕掛け人5名が揃って登場
・左から竹本泰蔵さん、桜井政博さん、野島一成さん、酒井省吾さん、植松伸夫さんと並ぶ
・竹本さんが名古屋から東京に引っ越してきて飲み会に
・その席上の話で、海外でゲーム音楽コンサートをやっているが、ほとんど日本のゲームの曲→日本では長い間やってないからやろうと
・選曲の幅広さでは過去最高ではないか
・今後も毎年続けていきたい
・やってほしい曲のリクエストをアンケートに書いてほしい
・オーケストラ=お祭り
・でもゲームショウと重なると正直つらい...とゲームショウからそのまま来た桜井さん
・オーケストラは硬いイメージがあるが、今回のヴァイオリン奏者の中にも演奏曲の8割を知っていた人がいた
・植松さんはずっとポップスやロックを聴いて育った→ゲーム業界で初めてオーケストラに接して驚いた、その贅沢さなどに
・オーケストラで演奏をしているその空気は録音しても持ち帰れない、一期一会のもの、と桜井さん

コンサートの日は、東京ゲームショウのビジネスデイと重なっていました。前述の(管)さんなどはその両方を見に行ってかなりお忙しかったと思いますが、出演者というのもやはりゲーム業界の方々が多かったりするので大変ですね。

さらにMC(田中さん、植松さん・伊藤さん)
・第2部は植松さんと田中さんですすめる
・伊藤賢治さん登場、植松さんと会うのは「THE BLACK MAGES」ライブ以来1年半ぶり
・植松さんの一番弟子(スクウェアで2番目の音楽スタッフ)
・入社時コンピュータにくわしいと言った→実はシンセのつなぎかたも知らなかったので植松さんにつないでもらっていた
・植松さんに、コンサートに参加しないかと誘われて引き受けた後、しばらく連絡がなかったとか
・最近、ある曲で田中さんと共同作業をしたばかり

「聖剣伝説」「サガ」シリーズで知られる伊藤さんは、スクウェアサウンド第2の男として、やはり植松さんに次ぐ知名度と人気を誇っていました。スクウェア退社後はさまざまなゲームから舞台音楽まで手がけ、今年は初のオリジナルアルバム「Everlasting Melodies」も出していらっしゃいますね。
今後は「聖剣伝説4」と「カルドセプト サーガ」が控えていますが、話し振りを聞くとまだまだ隠された作品がその後に続いていきそうです。

08. オーバーチュア~オープニングタイトル from "ロマンシング サガ -ミンストレルソング-"
作曲・編曲・ピアノ:伊藤賢治

どちらも、もともとゲーム制作時に伊藤さんがオーケストラのスコアを書いたものなので、驚きはないですが、ゲームと同じ曲を生で、という興奮がありますね。(オープニングタイトルには、新しくピアノパートが加わっていますけれど)
それから、この曲は唯一、作曲者自らが演奏に参加しています。自分の席は右のほうだったので、イトケンさんの顔は見えても、演奏している手元は見えない感じでしたけれど。

MC(田中さん・植松さん)
・曲が終わったあと、出て行く伊藤さんと入ってくる植松さんが握手
・植松さんが知り合ったとき伊藤さんは20歳だった
・どうしても心配して見てしまうが、ステージに上がるとしっかりしている、と植松さん
さらにMC(田中さん、植松さん・甲田さん・柴田さん)
・作曲家で元カプコンの甲田雅人さん、現カプコンの柴田徹也さん登場
・甲田さんが先輩だが、すでに退社しているので柴田さんの方が偉いという関係?
・甲田さんが「デビルメイクライ」の1と2、柴田さんが2と3を作曲
・甲田さんは「モンスターハンター」のおいしい曲だけ作って辞めてしまったので、残った地味な曲を柴田さんが...
・お二人仲悪いんじゃないの? と植松さんのツッコミ
・客席に「モンスターハンター」シリーズのディレクター、藤岡要さんと奥さん(「モンスターハンター2」の作曲も担当されたというので、たぶん小見山優子さん)がいるというので立ち上がってもらう
・お二人は新婚、「モンスターハンター」作りながら何をハントしてたの、と植松さん

甲田さんは、FF11の音楽をアレンジ・演奏するバンド「THE STAR ONIONS」のメンバーでもありまして、昨年のFF11イベント「サマーカーニバル2005」以来、1年ぶりに拝見しました。たぶん植松さんともそれ以来の再会ではないでしょうか。
柴田さんは、甲田さんとともに「モンスターハンター」の楽曲も手がけておられましたが、今回のコンサートの楽曲には直接関係はないはず...?
客席にいる藤岡さんご夫妻を突然紹介したのは、甲田さんと植松さんによる念入りな仕込みがあったそうです。自分より少し後ろの席だったのですが、サプライズだったようでなかなか困っていらっしゃいました(笑)
それにしても植松さんのトークは、さすが手馴れています。ご本人は毎度、振り返りたくないそうですけれど...。
特にこのあたりがいちばんノッてらっしゃいました。

09. 英雄の証 from "モンスターハンター"
作曲:甲田雅人 編曲:浜口史郎

サウンドトラックを持っているのでもちろん聴いたことはあるのですが、実際にプレイした「モンスターハンター2」と比べると、思い入れが全然違いますので、個人的には「2」を聴きたかったとは思います。(2でも断片的にこの1のテーマフレーズが流れますけれど)
とはいえ、これももともとオーケストラのために書かれた曲、しかもゲーム音楽のオーケストレーション経験豊富な浜口史郎さん(FFシリーズなど)の手によってアレンジされたもので、気持ちよく迫力を堪能できるものでした。
さらに続けて次の曲へ。

10. ICO -You Were There-
作曲・編曲:大島ミチル ボーカル:木村真紀

原曲は、ゲーム「ICO」の独特の浮遊感を身にまとった、不思議なアレンジでしたが、大島さん自らの手で、地に足のついた美しいオーケストラ曲になりました。
歌は「BEYOND THE BOUNDS」で歌っていた木村真紀さんが再び登場。原曲のボーイソプラノを意識して、無感情に飾りの少ない歌唱で、雰囲気を作っていました。
普通にアレンジCDの1曲として出ていても不思議がないような、というか欲しくなるような、完成度の高いアレンジ・演奏で、原曲を初めて聴いたときを思い出してうっとりでした。

MC(田中さん・植松さん・大島さん)
・大島ミチルさん登場、田中さんとは2年ぶり
・大島さんは「花右京メイド隊」の曲と、その中で田中さんが演じるマリエルのテーマソングを作曲
・「ICO」のとき、ボーイソプラノを選んでからロンドンに行ったらもう声変わりしていたので改めて現地でオーディション
・いちばん普通っぽい、そばかすの浮いた、ちっちゃな小学生ぐらいの子を選んだ
・ふつう、映画などでは曲に対して監督などの代表者だけが意見を述べるが、「ICO」の作曲ではスタッフみんなが一言ずつ述べる、皆さん優しい、と大島さん
・でも誰の意見を尊重するかで収拾がつかなくなることがある、と植松さん
・大島さんが30曲ほど書いたところで企画がなくなったゲームがあった、突然メールなどの連絡もつかず...
・小さな会社? という質問にノーコメント、大きな会社なんだな...と植松さん

今回の出演者の方々、作曲家の方々の多くも、大島さんと会うことを楽しみにされていたとか。ゲームというより、映画やテレビ番組でそのご活躍ぶりを耳にする機会が多い方で、有名どころでは「平成教育委員会」とか、あともうすぐ最終回の「純情きらり」の音楽なんかもですね。
個人的には、「ICO」と似た雰囲気の「ワーズワースの冒険」や、篠崎正嗣さんとのユニット「式部」での楽曲の数々も心に残っています。

大島さんが出て行ってさらにMC(田中さん・植松さん)
・田中さんはゲームセンターも好き
・昔は良い子が行く場所じゃなかった、と植松さん
・その頃から良い曲を作っていたのがナムコ
・植松さんは「キングスナイト」の作曲のときに「ドルアーガの塔」のような曲を作ってほしいと言われて難しかった
・植松さんにとって目標みたいなもの
11. ナムコアーケードメドレー
編曲:外山和彦

全然ゲームセンターに行かない人間だったので、ファミコンで遊んだことのある「ドルアーガの塔」以外はわかりませんでした。
なんでも、「ポールポジション」「ギャプラス」「サンダーセプター」「源平討魔伝」「ドルアーガの塔」「ドラゴンバスター」「メトロクロス」「スカイキッド」「マッピー」「リブルラブル」ときて、「ドルアーガの塔」のエンディングで締め、というメドレーだったようです。

MC(田中さん・植松さん・近藤さん)
・近藤浩治さん登場
・近藤さんとはシカゴ以来...って言うとなんかかっこいいよね、と植松さん
・シカゴで行われたコンサート「Play!」では近藤さんの登場にスタンディングオベーション
・ゼルダ全部で何作?→近藤さんが数えてみたがわからなくなった→ダメじゃん、と植松さん
・今年はゼルダ20周年
・Wiiと同時発売でゼルダ新作が

近藤さんは、もちろん「マリオ」「ゼルダ」シリーズをはじめ、多くのゲームに曲を書いてきた、任天堂音楽の顔ともいえる方ですが、ずっと任天堂のいち社員ということもあり、あまりその人物までは知られていませんでした。
ですが、最近は「マリオ&ゼルダ ビッグバンドライブ」や、上述の「Play!」、そしてこのコンサートと、ちょくちょく姿を見せるようになっていらっしゃるのですね。
おっとりとした、あまり喋りなれていない感じの、音楽家というより技術者という雰囲気の方です。

12. ゼルダの伝説メドレー2006
作曲:近藤浩治 編曲:横田真人

ゼルダって、何作も遊んでいるのですが、飽きたわけでもつまらないわけでもないのに、なぜかひとつもクリアーしていないということで、とても心残りの多いシリーズなのです。
というわけで、ひとつひとつの曲は詳しくわかりませんが、さすが過去に何度も演奏されてきたシリーズだけあって、アレンジも気持ちよく、楽しく聴けました。
あ、メインテーマはもちろん好きです。

演奏終了後、指揮者の竹本さんが舞台袖へ...となると、もちろんそのままアンコールなので、拍手を続けます...と、はたして竹本さんが戻ってきて...

13. ファイナルファンタジー
作曲:植松伸夫 編曲:浜口史郎

FFファンならずともおなじみの曲でしょう。アンコールは、特に予告なしで始まる1曲目のアンコールは、誰でも知ってる曲でなければいけないので、たぶんマリオかFFだろうと思っていたのでした。
アレンジも、過去に何度も演奏されたものと同じ、浜口さんの手によるものだったと思います。

MC
・仕掛け人5名(植松さん、桜井さん、酒井さん、野島さん、竹本さん)が再び登場
・FFで終わるのもなんでしょ?と植松さん
・そこで、今回の仕掛け人の大半が関わっているタイトル
・作曲が植松さん
・編曲が酒井さん
・指揮が竹本さん
・ゲームデザインや歌詞などが桜井さん
・野島さんは応援...
・という「大乱闘スマッシュブラザーズX」の曲で終わりに
14. メインテーマ from "大乱闘スマッシュブラザーズX"
作曲:植松伸夫 編曲:酒井省吾

唯一、未発売のゲームからの曲ですが、アンコールというより「うれしいおまけ」という感じ。
曲自体は、ここで聴くことができますが、さすがにコーラスは入っていません。ので、酒井さんがあらためてこのコンサートのためにアレンジしたものと思われます。
フィナーレを飾るのにふさわしい、勢いのある曲で、最後に盛り上がって終われたのがよかったと思います。

MC
・出演者が勢ぞろい(糸井さんはいなかったかな?)
・終了後ロビーにて出演者の方々がお見送りとのこと

なのですがー、人ごみが苦手な自分は、「まあ落ち着いた頃のほうがいいよね」と、ゆっくりアンケートを書いていました。
しかし、ホールを出るときには、もう大半の方が戻ってしまっていて、最後まで残っておられた植松さん・桜井さんとニアミスしただけでしたけれども。
ちょっと残念。
それにしても、このコンサート企画の発端は植松さんと桜井さんのお二人だったそうですが、最後も植松さんと桜井さんというのは、象徴的というか、できすぎな話?(笑)


あと、話は飛びますが、コンサート後、ちょうど車に乗り込んで帰るところの浜村弘一さん(エンターブレイン社長、ファミ通グループ総編集長)とすれちがいました。奥さんとお子さんらしき方とご一緒で、見た目まるきり普通の親子連れだったので一瞬気づかなかったです...。
「ヴァナ・ディール通信」の連載「浜村通信」で毎回のように登場する、浜村さんとお子さんとのFF11をめぐるやりとりを思い出して、勝手にほんわかしていたのでした。

結局FF11の話で終わるんですか。

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