2007年11月25日 09:00

ロストオデッセイ&ブルードラゴンのコンサートレポート

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すこし日が経ってしまいましたが、11/19のコンサートに行ってきましたのでレポート。
Microsoft Presents
"Orchestral Pieces from LOST ODYSSEY & BLUE DRAGON"

2007年11月19日(月) / Bunkamura オーチャードホール(渋谷)
開場:17:30 / イベント開演:18:00 / コンサート開演:19:00
指揮:吉住典洋 / 演奏:日本フィルハーモニー交響楽団
製作総指揮・トーク出演:植松伸夫 / 司会:山咲南
トーク出演:坂口博信・重松清・豊川悦司・豊原功補・上原多香子

ニュース記事: →ファミ通(動画あり) / →電撃 / →+D Games / →ASCII.jp

11/26追記:Dog Earのブログに、松下謙介さんによる舞台裏レポートも)

また、ちょっと長い&写真もあります。

開場前の入り口。Dog Ear Recordsの松下謙介さん(写真中央)がお忙しそうに電話中。

入場のときに、植松さんのコメントや曲目が載った、4ページのパンフレットが配られました。

ステージはもちろん撮影禁止ですが、ロビーはOK...だったのでしょうか? とりあえずお咎めなし。
会場で『ブルードラゴン』サウンドトラックを買うと、植松伸夫さんのサイン入りのパンフレットが。
筆者も買ったので、入り口でもらったのと合わせてパンフレットが2つになりました。
あと、サウンドトラックはまだ初回限定版でした...(笑)

同じく会場内では、重松清さんの著書『永遠を旅する者 ロストオデッセイ 千年の夢』の販売。
これは、『ロストオデッセイ』のゲーム中に挿入されるサイドストーリーだけを本にしたもので、
発売日の前日に、会場で先行発売という形だったようです。これは買ってません。

物販はその2点だけというシンプルなものでした。

それから、『ロストオデッセイ』の試遊台もありました。とりあえず目についたのはこの2台だけでした。

さて、イベントは『ロストオデッセイ』完成イベントと、コンサートの第一部・第二部に分かれていました。

イベントのほうは、上述したオフィシャルなニュース記事に詳しいので、あまり書き足すことはありません。

でもひとつだけ。イベントの性質上、会場内に報道関係者が多かったのですが、
最後にフォトセッションという形で、報道陣向けに撮影の時間がありました。
制作スタッフである坂口博信さん・植松伸夫さん・重松清さんの三人と、
声の出演の豊川悦司さん・豊原功補さん・上原多香子さんの三人が何度も立ち位置を入れ替えたり、
いろんな方向に向いたり、スチル撮影とムービー撮影に別々に時間をとったり、
さらになにやら段取りを間違えて、もたもたしていたのですが、
コンサートのために来た観客がイライラしはじめていたところに、
「ごめんね、もうちょっと待ってね」
という植松さんの一言で、客席の空気が一変。
筆者も「うわー、やっぱすごい人だわ...」と感銘を受けたのでした。今日いちばんのいいシーン。


そんなこんなで、休憩をはさんで、コンサート第一部、『ブルードラゴン』の曲。

01. 『水辺』 作曲:植松伸夫/編曲:中山博之
以前の記事で、1曲目は『水辺』で静かに始まるか、『地鮫が来る!』で激しく始まるか?
と予想していたのですが、静かに始まりました。
完全に原曲どおりのピアノソロ。ピアノ演奏は、編曲も手がけた中山博之さん。

02. 『嘆きの鐘~地鮫が来る!~危機のメドレー』 作曲:植松伸夫/編曲:中山博之
『地鮫が来る!』はこっちに来ました。ゲームの流れに合わせて、全3曲のメドレーでした。
この曲に限らずですが、もともとオーケストラの曲として書かれたものを選んでいるので、
あまり変わったアレンジはなく、意外性はないですがそのぶん真っ当に質の高い曲でした。

ここで、植松さんが登場。
『FF』のときは、シリアスな世界観(とシリーズの歴史?)を背負っていましたが、
『ブルードラゴン』では、よりポップな世界観で、自由にいろいろなタイプの音楽を創れたとか。
今回はその中でも、オーケストラ向けに書いた曲だけを選んで演奏しましたが、
機会があれば、また違った編成の曲も生演奏でお聴かせしたいとのこと。

03. 『大地を進め』 作曲:植松伸夫/編曲:中山博之
かっこいいフィールド曲です。ちょっとスネアドラムがもたってるように聴こえましたが...
原曲はループしていたものを、コンサート用にアレンジするにあたって、
新たに書き足された曲の終わりの部分がなんだか好きでした。

04. 『洞窟』 作曲:植松伸夫/編曲:中山博之
神秘的なダンジョン曲。
FFでは4と6のダンジョン曲が好きなのですが、それに匹敵する綺麗な曲です。

05. 『笑顔』 作曲:植松伸夫/編曲:中山博之
曲名のとおりの優しくて可愛らしい曲。植松さんの十八番で、こういうのも1曲ないとですね。

06. 『剣聖師団』 作曲:植松伸夫/編曲:中山博之
トランペットが『ゾラのテーマ』のフレーズを勇ましく奏でる曲。
『ブルードラゴン』には、ゲームの雰囲気からすれば妥当ではありますが、
トランペットメロディの曲が多いですね。

07. 『Blue Dragon Main Theme』 作曲:植松伸夫/編曲:中山博之
なんだかメインテーマというわりに、あんまり印象に残っていない...と書きましたが、
んー、やっぱりまだピンとこないです。まだゲームが途中だからかもしれませんがー。
なんだかドラクエを連想してしまう瞬間があるのは自分のせいだと思います。


さらに15分の休憩。
筆者は一階席だったので、二階のロビーに行く必要はなかったのですが、
何か面白いことはないかな? と階段を上がっていったところ、
二階にビュッフェがあり、何気なく入っていったのですが、
気がつくと、まわりにゲームの作曲家の方々がいっぱいいらっしゃってびびりました(笑)
伊藤賢治さん、元任天堂の田中宏和さん、ベイシスケイプの崎元仁さん・上倉紀行さん、
あと、外のロビーではバンダイナムコの椎名豪さん・小林啓樹さん、ハル研究所の酒井省吾さん。
自分が気づいてないだけで、他にもいろんな方々がいらっしゃったのでしょうけども。
『ブルードラゴン』や『ロストオデッセイ』とはつながりがなさそうな方も多いですが、
植松さんと『PRESS START』つながりの方々がいっぱい招待されていたのかもしれないですね。
何人かの方々とは少しばかりお話をさせていただきました。
(400円もする)オレンジジュースを頼んだのですが、会話にいっぱいいっぱいで飲むのを忘れていて、
休憩時間が終わってもう席に戻らなきゃ、となってから、慌てて飲み干しました...なんだかな(笑)


さて、第二部は『ロストオデッセイ』から。
発売前のゲームのコンサートという、珍しいものになりましたが、
音楽的には、ポップな『ブルードラゴン』より、さらに様々な曲調を交えて、面白く感じました。

01. 『メインテーマ』 作曲:植松伸夫/編曲:中山博之/コーラス:国分友里恵
あるとき、坂口さんから「どこかに女性の声がほしい」というリクエストがあって、
「ここだ!」とひらめいたのが、この曲の後半だったとか。
同じメインテーマでも『ブルードラゴン』より印象に残るのは、
まさにこの声のぶんの違いなのかもしれません。

曲のあと、植松さんと坂口さんが登場。今回はオーケストラの曲だけですが、
『ロストオデッセイ』も、『ブルードラゴン』と同じく、オーケストラ以外にも様々な編成を用いているとか。
坂口さんからは、植松さんメロディが欲しいというぐらいで、
あとは自由に、実験的・冒険的なこともやらせてもらえた、とのこと。

ゲーム中で流れる原曲でも一部アレンジを担当し、
今回のコンサートでも編曲とピアノ演奏をしている、"ショパン"こと中山博之さん。
アレンジについて植松さんから厳しいことを言われ、
トイレで泣いていたところを坂口さんが目撃したという事件の話。
「それだけ一生懸命にやってくれてるんだと思って、ちょっと嬉しかった」と植松さん。

02. 『戦場』 作曲:植松伸夫/編曲:中山博之
この曲も、どこかのトレイラームービーで使われていたと思います。行進曲風の勇ましい曲。

03. 『暗闇の放浪者』 作曲:植松伸夫/編曲:中山博之
静かな中にあって、いろいろ変化しながら流れていく感じ。ダンジョン曲でしょうか?

04. 『大航海』 作曲:植松伸夫/編曲:中山博之
『大地を進め』の変奏? ...というわけではないと思うのですが、
同じフレーズも含んでいて、よく似た雰囲気の曲です。

05. 『強敵出現!』 作曲:植松伸夫/編曲:中山博之
ボス戦の曲。当日のイベント中の、坂口さんのデモプレイでも流れていました。
昔のFFバトルっぽい、禍々しいメロディに、オーケストラのリッチな音色という組み合わせが新鮮。
FF3の『バトル2』なんかを、あえてオーケストラにするとこんな感じかも? とか思いました。
こんなバトル曲は植松さんにしか書けないでしょう。

06. 『Eclipse of Time』 作曲:植松伸夫/編曲:中山博之/歌:国分友里恵
歌ものその1。
なんとなくオリエンタルな優しいメロディに、国分さんの声質があいまって、
FF9の『Melodies of Life』を思い出しました。
といっても、このコンサートでは、日本語の歌詞で国分さんが歌っているのですが、
実際のゲームで流れる歌は、シーナ・イーストンさんが英語で歌っているということで、また違うかも。

07. 『What You Are』 作曲:植松伸夫/編曲:中山博之/歌:国分友里恵
歌ものその2。
オリエンタルの次は西洋風? かどうかわかりませんが、力強い歌声で。
こっちがメインのテーマソングみたいですね。
おなじく、ゲーム中ではシーナ・イーストンさんが英語詞で歌っているとのこと。
「坂口さんが書いたオリジナルの日本語の歌詞で歌ってるのはこのコンサートでしか聴けません。
貴重なので、隠し撮りしてる人はあとでYouTubeに上げといてください(笑)」と植松さんが言うと、
会場は今日いちばんの大ウケでした(笑)
ゲーム版の英語の歌は、ファミ通.comの映像でちょっとだけ(7:51~)聴けます。
(あと、その前のデモプレイのところ(0:47~)では『強敵出現!』もほんのちょっと聴けます)

そして、アンコール。
『水辺~ピアノとオーケストラのための~』 作曲:植松伸夫/編曲:中山博之
『水辺』で始まって『水辺』で終わる、という。
植松さんが近年の曲の中で特に気に入っている一曲だそうなので、
最初がピアノソロだった時点で、このピアノコンチェルトがアンコールに来ると予想はしましたが。
FF以外の植松さんコンサートでは、アンコールの定番曲になるかも。
静かに終わる曲なので、最後に盛り上がって終わる感じじゃないのが惜しいですけど。


終演後、帰りの出口で記念品のトートバッグを配っていました。
たくさん余っていたようで、最初は1人1枚ずつ配られていたのが、途中から1人2枚ずつになり...。
最後にはなんか面白いことになったのですが、
係員のおっちゃんが怒られるかもしれないので書きません(笑)

これがそのトートバッグ。あんまり丈夫そうではないですが、使えることは使えるでしょう。

その他、買ったもの&もらったものはこんな感じで。


筆者のチケットがあまりにも前で、真ん中のほうだったので、席が埋まるのか心配だったのですが、
まあ埋まりはしなかったものの、がらがらというわけでもなくて、ほっとしました。
でも、けっこう招待客が多かったような...。

平日の夕方から、という微妙な時間の影響も大きいと思います。
『ロストオデッセイ』の完成記念イベントは、もともとは報道機関向けに予定されていたもので、
それに合わせてコンサート開催ということになっていたため、平日なのだと思います。
もったいないなー。

近年、いろんな要素を寄せ集めたコンサートやライブが多いのですが、
今回は逆に、オーケストラに絞ったこと、作品を2本に絞ったことで、
焦点のはっきりした、良いコンサートでした。

『ロストオデッセイ』の初聴きの曲はつらいかなーと思っていたのですが、
植松さん濃度(?)の高さのおかげで、飽きることなく聴きつづけられました。
ゲームの中で聴ける日が楽しみですねー...と言いつつ、
いろいろな優先順位の都合で、たぶん発売日にはまだ買わないのです...。いずれは!

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