2008年11月 7日 21:21

R:MIX『魔王転生』舞台&スペシャルライブ

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ちょっと間があいてしまいましたが、『デュナミス・トウショウ』『大工房感謝祭』とともに
楽しんできたのが、R:MIXの舞台『魔王転生』

その、本編である舞台と、千秋楽後に行われたライブにも行きました。
新宿のシアターサンモールという、客席数300ほどの劇場で、
このところライブでもコンサートでもでかいところが多かったので、
ひさびさに出演者と客席が一体になる雰囲気を楽しんできました。


...これはひどいブレっぷりだ。ごめんなさい。


本公演の途中休憩。
直前まで(生首役で)出ていた座長の町田誠也さん(中央)が自らグッズを手売り。

舞台そのものについては、まあ演劇にも役者さんにもまったく疎いものですので、
パンフレット(の裏側の下のほうに小さく)書いてあるのを丸写ししますと、

R:MIXの作品・演出の特徴は日本がエンターテイメント分野で世界から最も評価されている「ゲーム的」「漫画的」「アニメ的」手法を演劇に取り込んだ「劇画タイプな演劇」です。

で、ストーリーはというと、中世風の舞台で、いくつかの勢力に分かれて戦をしていると。
物語の視点はどんどん変わっていき、裏切ったり手を組んだりしながら、
なにが善でなにが悪なのかも曖昧になっていきます。
登場人物の数がハンパなく多いので(名前があるキャラだけでも20数人)、
最初、人間関係を把握するのに時間がかかりますね(笑) 2回見たほうがいいのかも。

植松伸夫さんが書かれたオープニングテーマ『闇の狭間で』では、
コーラスを2組に分けて、同時に同じメロディーで違う歌詞を歌わせたりしているのですが、
これも、一つの現象を多様な視点から見たり、一人の人間の中の多面性を見せたりする、
物語そのものの多態性、複雑さを反映させているのかな、とか。
まあ、ライブでさらっと聴くと、誰かが歌詞を間違えただけのようにも聞こえますが(笑)

豪華な衣装、派手な殺陣、そしてもちろん音楽も楽しませていただきました。
音楽担当スタッフは、ゲーム好きな自分からすると目玉が飛び出るほど超豪華。

音楽製作チーム
下村陽子部長(ストリートファイターII・キングダムハーツシリーズ他)
青木佳乃(ブレスオブファイアシリーズ・ロックマンエグゼシリーズ他)
伊藤賢治(ロマンシングサガシリーズ、聖剣伝説シリーズ他)
植松伸夫(ファイナルファンタジーシリーズ、ブルードラゴン他)
内山修作(バイオハザードシリーズ、デビルメイクライシリーズ他)
太田光宏(うたものギタリスト:シャドウハーツ・FF12他で演奏)
岡宮道生(The Black Magesギタリスト)
清田愛未(プラネタリウム番組「星月夜」・ケロロ軍曹「友だちごはん宇宙編」他)
崎元仁(FFタクティクスシリーズ・FF12・伝説のオウガバトル他)
谷岡久美(FFクリスタルクロニクルシリーズ・FF11他)
弘田佳孝(シャドウハーツシリーズ・ヘラクレスの栄光他)
福井健一郎(半熟英雄4・ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイング他)
ペンタ(メタルギアソリッド2・ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン他)
MARS(行け!ゴッドマン08'・コレジャナイロボ他)
光田康典(クロノトリガーシリーズ・ゼノギアスシリーズ他)

ヴォーカルチーム
青木佳乃(『ゆめのすこしあと』『Pure Again』他)
伊田恵美(FF4DS主題歌『月の明り』)
岸川恭子(『熱情の律動』他)
清田愛未(NHKみんなのうた「千の花千の空」FFソングブック「まほろば」他)
軟鉄兄弟(やまだん+湯毛)
藤本記子(『太陽(ひかり)』他)
堀川りょう
MARS(ストラルドブラグ挿入歌『Riding The Gale』他)
米澤粋夏(コナミ「S.L.A.I」挿入歌『A-Way』他)

R:MIX公式サイトより)

そう、その音楽が、この舞台を観に行った最大の動機だったのですが、
そんな自分にぴったりの"スペシャルステージ"が最終日にはありました。
2時間ノンストップで、舞台の音楽話と、歌手の方々によるライブ。
舞台の説明と比べて詳しすぎてアンバランスと怒られるかもしれませんが、
ここはそういうところなのでご容赦ください(笑)
もちろん、本編あってのライブですとも!

11月2日に千秋楽があって、その後そのままライブということで、
リハーサルの時間が充分に取れなかったらしく、30分ほど遅れでのスタート。
というか、どう見ても(聴いても)しっかりリハーサルしてない感じでしたが、
この狭いアットホームな空間ではそれもまた場を和ませていたり。
ちなみに、歌以外で生演奏だったのは、アコースティックギターと電子ピアノだけで、
それ以外はすべて録音済みのオケを流してました。
まあ、ステージ狭いですし、入れ替え大変ですし、時間も予算もなさそうですし。


1.荊の道
作詞:町田誠也/作曲:下村陽子/編曲:MARS/ボーカルアレンジ:太田光宏
歌:清田愛未・伊田恵美・岸川恭子・粋夏・軟鉄兄弟・MARS・堀川りょう

1曲目は下村陽子さんの...えー、メタルオペラ?(笑)
歌手の方々が大勢出てきて、最初からクライマックスな盛り上がりで始まりました。
作詞の町田誠也さんはR:MIXの座長にして今回のシナリオも書かれている方。
スキンヘッド。...といえば、今年の『THE BLACK MAGES』ライブに行かれた方は、
思い出されるのではないでしょうか。『マリアとドラクゥ』のラルス役の方です。


その後、町田さんと、今回は監修と作詞担当のみの時田貴司さんが司会になって、
全作曲担当者の紹介と、それぞれの方が担当された全曲を、イントロを流しつつ紹介。
1時間近くやっていたのではないでしょうか?
まさかここまで詳しくやってくださるとは(笑) 後半飛ばし気味でしたけれども。

ちなみに、この時、舞台に上がっていらっしゃった作曲担当の方々は、
下村陽子さん、青木佳乃さん、植松伸夫さん、太田光宏さん、清田愛未さん、
崎元仁さん、弘田佳孝さん、福井健一郎さん、福富雅之さん、MARSさん。

また、作曲はされていないものの、歌い手として参加された、
伊田恵美さん、岸川恭子さん、軟鉄兄弟(やまだんさん・湯毛さん)、藤本記子さん、
堀川りょうさん、米澤粋夏さんもステージ上に並んでおられました。

で、残念ながら都合がつかずステージに来られなかった音楽スタッフの方々は、
伊藤賢治さん、内山修作さん、岡宮道生さん、谷岡久美さん、関...もといペンタさん、
そして光田康典さん、でした。

時間が長かっただけに、いろんなお話が聞けたのですが、忘れ気味...
・植松伸夫さんには2曲書いてもらう約束だったのが、飲みの席の話だったため
 植松さんは「覚えてない」ってことで、スケジュール的に可能な1曲のみで参加。
 残り1曲を埋めるために急遽助っ人参加されたのが関t...ペンタさんでした。
・伊藤賢治さんが稽古場にやってきて、その場で場面に合わせてピアノを弾いて作曲。
 そして2日後には完成したトラックが到着...という感じで、稽古場は大興奮だったとか。
・内山修作さんは『バイオハザード』シリーズの曲などを書かれた方なので、
 今回の舞台で死体がよみがえるシーンの曲は全部内山さんが書いたそうです(笑)
 「どんな(担当の)振り方だよ」と時田さんがツッコミ。
・崎元仁さんの曲は、公演初日になって修正版が届いたものの、
 舞台には間に合わず、初日は修正前のものが使われてしまったとか。
 初日と2日目とでは(普通に聴いても気づかないぐらい)微妙に曲が変わったそうです。
・それも含め、やっぱり皆さん本業がお忙しいということもあって、
 音楽は全体的にぎりぎりのタイミングで上がってくるみたいですね。
 パンフレットとともに配られた挿入歌の歌詞、ワープロで作ったぺら一枚ですし。

 もちろん、こういうのを作ってくださるだけでも、すごくうれしいんですけどね!


2.月下美人
作詞・歌:藤本記子/作曲・ギター:福富雅之

アコースティックギターと歌のみのシンプルなステージ。ギターはもちろん生演奏です。
これは書き下ろし曲ではなく、もともとお二人の持ち歌なのだそうです。
藤本記子さんは、聴きながらうっとりしてしまう、美しい歌声ですね。
お二人はもともと、BohBahというユニット名で活動していたのですが、
名前を覚えてもらえないということで、現在は藤本記子さんの個人名を表に出しつつ、
実質はお二人での活動という形をとっているようです。
「福富さんが完全に影武者じゃないですか!」と町田さんにツッコまれていたり。


3.夜明け前
作詞:時田貴司/作編曲・キーボード:福井健一郎/歌:伊田恵美

これまたシンプルに、福井さんのキーボード(電子ピアノ)と歌だけでした。
スクウェア・エニックスの社員でもある時田さん、歌詞は昼休みに書いたそうです。
福井さんは、ご存知、『THE BLACK MAGES』のキーボーディスト。

ニンテンドーDS版の『ファイナルファンタジーIV』では、新たに、
名曲『愛のテーマ』に歌詞をつけて歌った『月の明り』という主題歌が作られましたが、
伊田恵美さんはこの時のオーディションで歌手として起用された方です。
この『月の明り』が"作詞:時田さん、作曲:植松さん、編曲:福井さん、歌:伊田さん"なので、
今回の『夜明け前』は、植松さん以外まったく同じメンバーによる書き下ろし曲。
さらにいうと、劇中でこの歌が使われているのは、
DS版FF4でセシルの声を演じた程嶋しづマさんがメインで出演されているシーン。
ということで、『月の明り』と同じ雰囲気で、流れをくむ曲、というイメージで作られたとか。
たしかに、FF4で流れてても違和感なさそうですね。

ちなみにこの歌は、もちろん舞台で挿入歌として流れているのですが、
歌を録音したのが、舞台初日の"夜明け前"だったそうです。ぎりぎりすぎる!(笑)


4.A-Way
作詞・作曲・歌:米澤粋夏/編曲・ギター:太田光宏

さきほどの『月下美人』と同じアコギ+歌のみ。(メンバーは違いますが)
この歌は、コナミの『S.L.A.I.』というゲームの挿入歌だったりして、
書き下ろし曲ではないみたいですが、そんなこととは関係なく、
米澤粋夏さんの、ぞくっとするような、緊張感のある歌声に心を揺さぶられました。
この歌の流れる場面に関わっていた、スカーレット役の加藤玲子さんが、
楽屋でこれを聴きながら大泣きされていたのだとか。
太田光宏さんは本来ギタリストなのですが、今回の舞台では、町田さんに頼まれるまま、
他の作曲担当の方々が積み残したあれやこれを引き受けて大活躍だったそうです。


5.何処までも
作詞:町田誠也/作編曲:弘田佳孝/歌:軟鉄兄弟

ツインボーカル+オケ(←録音済みの伴奏を流したという意味で書いてます)。
弘田佳孝さんは、スクウェアでFFシリーズなどの効果音を担当された後、
『シャドウハーツ』シリーズなどで作曲されたり、ベーシストとしても活動されています。
が、今回は、演奏者としては参加されず。
軟鉄兄弟は、自分は知らなかったのですが、ニコニコ動画で有名な男性デュオだとか。
というわけで、曲の一部ですがニコニコ動画で聴けます。
【R:MIX】「何処までも」 軟鉄兄弟(やまだん/湯毛)【魔王転生】
ちなみに、曲中のブズーキ(アイリッシュ・ブズーキ?)は光田康典さんの演奏。
生演奏ではなかったですが(ご本人が居なかったから当たり前)...。


6.魔王独り
作詞・作編曲・歌:清田愛未

ボーカル+オケ(ハープ・ピアニカ・ストリングス等)。
『FINAL FANTASY SONG BOOK まほろば』でFFシリーズの曲も歌われ、
最近では『THE BLACK MAGES III』にコーラスやリコーダーで参加された清田愛未さん
その独特の歌唱は、やや曲を選ぶところがあると思うのですが、
さすが、自作曲だけあって、詞に込められた切なさがひりひり伝わってくる歌声でした。


7.Ghost
作詞・作編曲:MARS/歌:堀川りょう・MARS

ツインボーカル+オケ。
堀川りょうさんは、声優・俳優として大活躍されている方。
『ドラゴンボールZ』のベジータや『名探偵コナン』の服部平次などが有名でしょうか。
この舞台では、俳優として出演されるとともに、ハイトーンボイスで歌も歌われています。
"R:MIXメタル班"のMARSさんは、すみません、存じ上げていなかったのですが、
ゲームキャラのような綺麗な金髪ロン毛ストレートで、力強く歌っていらっしゃいました。


8.楽園の崩壊
作詞:町田誠也/作編曲:福井健一郎/歌:軟鉄兄弟・岸川恭子

トリプルボーカル+オケ(TBM風のロック)。
岸川恭子さんは、ゲーム関係では、
『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』の『熱情の律動』でのスキャットが印象的。
去年のEXTRAでも、イトケンさんのバンドで歌われていましたね。
軟鉄兄弟のやまだんさんが、入るタイミングを派手に間違えて、
岸川さんがフォローに入るも修復しきれず、数小節の間、全員が沈黙!
曲のあとで3人並んで福井さんに土下座していました(笑)


9.Sword
作詞・歌:米澤粋夏/作編曲:MARS

ボーカル+オケ。
先ほどの米澤さんの自作曲『A-Way』とは全く違う曲調の、MARSさんによるロックでしたが、
こちらもかっこよく歌い上げておられました。


10.理想の終焉
作詞:町田誠也/作曲:伊藤賢治/編曲・ギター:福富雅之/ギター:太田光宏
歌:藤本記子

編成はアコギ2本+歌+オケ(ベース・ドラム・ストリングス等)。
伊藤賢治さんといえば『ロマンシング サ・ガ』などでのバトル曲、というイメージが強く、
実際、その方面では唯一無二のスタイルを確立されていますが、
バラード作家としても、ほんとに繊細で美しいメロディーを書かれます。
それを歌い上げる藤本さんの歌声も、もちろん美しいです。


ここで、舞台の出演者+音楽担当者によるサイン色紙のプレゼントタイム!
4、50人ほど居たと思うので、1人1枚ずつで、同じ数だけプレゼントされたわけです。
...当たりませんでしたが!


11.闇の狭間で
作詞:町田誠也/作曲:植松伸夫/コーラスアレンジ:清田愛未/ボーカルミックス:太田光宏
歌:軟鉄兄弟・岸川恭子・清田愛未・MARS・粋夏・堀川りょう&出演者一同

全員で歌+オケ。
今回、植松伸夫さん唯一の書き下ろし曲ですが、2部構成でけっこう長い曲です。
(ほんとは2曲なんだけど1曲として発注するという町田さんのセコい技だそうです...笑)
プレゼントタイムの流れで、舞台出演者を含め全員舞台上に揃った状態だったので、
そのまま出演者全員で歌いました。

最後の曲ということで、観客も大盛り上がりでした(さすがに歌えませんでしたが...)。
歌の間に、植松さんが、セットのいちばん高いところ(床から3~4mぐらい)に登ったと思うと、
劇中に登場した魔王の剣ラグナロクを持って、振り回したり切腹したりしはじめたので、
そのカオスっぷりに客席から爆笑と拍手が。いつもながらおちゃめな方です(笑)


歌の後は、『魔王転生』のサウンドトラック発売を祈願して、
(DVDは、ほぼ発売確定みたいです)
CDの神様(=剣を持ってセットの上に座っている植松さん)に向けて一本締めをして、
めでたくライブも終了。

ロビーでは過去の舞台のDVDを買って、時田さんにもサインをいただいて...
どなたか出演者の方とからめないかと思ったら、植松さんが前を通過...
あー...今月はまた犬耳家親族会議でお会いできるし、まあいっか...
で、軟鉄兄弟のお二人に軟鉄アメ? をいただきました。

ありがとうございました。おいしかったです。

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