2009年6月11日 21:51

『FFXI ストーリーアルティマニア』発売

 |  トラックバック(0)  |  カテゴリ : FF11の本・雑誌記事  

『ファイナルファンタジーXI ストーリーアルティマニア』が今日発売。
世界設定・シナリオあらすじ・インタビュー・全BGM曲目など全496ページ。
『アルティマニア』といえば、FFなどスクエニゲームの攻略本の定番ですが、
FF11については、これが初の『アルティマニア』です。

ゲームの攻略本というのは、ゲーム会社と出版社の間で、
この情報を載せるなら発売は何月何日以降、などと取り決めをするそうで、
『アルティマニア』の場合、できるだけ多くの情報を載せるため、
ゲームの発売からかなり経った後に発売されることが多いです。
(『アルティマニア』はゲーム会社=出版社ですが、特に変わらないようです)

ところが、オンラインゲームで、後から要素が増えていくFF11の場合、
載せられない情報が常にたくさんある、という状態のため、
『アルティマニア』と名付けるに値する攻略本が出せなかったのでしょう。
(スクエニ発売のFF11攻略本としては、2002~2005年にかけて、
『ヴァナ・ディール ワールドリポート』シリーズが何冊か出ていました)

ただ、最近では、ゲームの攻略情報を主軸としない本でも、
ベントスタッフが編集した本には『アルティマニア』と名付けられています。
これもそのひとつで、その名の通り、FF11のストーリーを総ざらいしています。
まとめられているのは、おそらく2008年12月より以前の内容で、
2008年12月と2009年4月に追加された部分は別項目で紹介されています。

今日買ったばかりで、まだ、きちんと通して読んでいませんが、
拾い読みした限りでは、FF11のあらすじを知るには充分な網羅ぶり。
制作に1年かけたというだけのことはあります。
まあ、あらすじだけで1冊本ができるほどのストーリー量、とも言えますね...。

ただ、言い方をかえると「今あるものを、きれいにまとめてるだけ」のようで、
"設定資料集"的なものとは違って、まだ表に出ていない新情報はなさそう。
その点では『FF 20th アニバーサリー アルティマニア』の形に近いですね。

よさげな使い方としては、この本をパラパラと読んでいって、
気になったところはミッション・クエストログを記録したwikiを読むとか。
動画サイトで探してみるとか。なんだったら実際にゲームやっちゃうとか。


何度か書いていますが、筆者がゲームの本に対して期待するのは主に2つ、
インタビューと音楽ネタです。

インタビューのほうは、なかなかのボリュームがありまして、
三国のシナリオを担当した木越祐介さん・河本信昭さん・佐藤弥詠子さん、
(ちなみにサンドリアは途中で担当が変わり、前担当の方は出ていません)
さらに齋藤富胤さんを加えてジュノ&『ジラートの幻影』『プロマシアの呪縛』、
そして続く『アトルガンの秘宝』と『アルタナの神兵』では、
齋藤さんに加えてディレクターの小川公一さん、世界設定の岩尾賢一さん、
ミッション・クエスト担当の高橋久美子さん・京屋陽子さんが登場。
岩尾さんはさらに世界設定全般についてのインタビューもあり、
最後はもちろんプロデューサーの田中弘道さんへのインタビューで締め。
インタビューだけで、合計22ページあります。

それだけ多くのスタッフが関わっていて、それぞれに語りたいことも多く。
全体を通して、特に印象的だったのは、7年+αという時間の中で、
それぞれのスタッフが、お互いの作ったものに影響を与え、受けあっていて、
それであの、複雑にからみあい、枝分かれしていく、バラエティに富んだ、
FF11のストーリーが出来上がっているのだなあと実感できる記事でした。

注文をつけるなら、この世界の創造の根本に大きく関わった二人、
石井浩一さんと加藤正人さんのインタビューも読んでみたかったですね。
それぞれの代表作『聖剣伝説』『クロノ・クロス』からFF11への影響とともに、
お二人の名前自体は、インタビュー中なんども繰り返し出てきますけれど。


音楽のほうは、インタビュー記事こそなかったものの、
FF11関連CDとBGM曲目紹介(一部の曲には解説あり)が8ページ、
『Distant Worlds』の楽譜(ただしメロディと歌詞だけ)が4ページ。
まあ...要望を挙げれば、きりがないですが、
音楽はストーリーの脇役ですから、このぐらいでも仕方がないかなと。

あと、画面写真や設定画、天野喜孝さんイラストも豊富に収録。
天野さんの絵で見たことないのがありました...何に使われたんだろう。
ちなみに、以前に『FFXI ワールドコンセプト』という設定画集も出ていまして、
設定画にかぎれば、もちろんそちらのほうが充実しています。

発売中の公式グッズの紹介もありますが、2ページだけ。
これはマイケルサイトさんちのFF11秘宝館を見るのが良いよ!


まあこんな感じにいろいろ書いてしまったのですが、
7年経っても自分はまだFF11の世界について知らないことばかり。
気を抜くとネタバレを見てしまうので、かなり気をつかって読んでいます(笑)
ミッションも、ウィンダスと『プロマシアの呪縛』だけしか終わっていませんし。
しかも、それぞれの後日談的な部分はまだ終わらせられていませんし。
(『プロマシア』はミッションでなくストーリーと呼ぶ、と初めて気づきました...)

それにしても、このタイミングでFF14が発表されたとはいえ、
あんまり関係なく、FF11のほうもかなりネタが残っているのですね。
『アトルガンの秘宝』にまだ残しているシナリオがあったり、
『アルタナの神兵』のシナリオがまだ半分までしか実装されていないとは...
(まあ、このへんはちっとも進められていないのですが)

逆にいうと、いまこのタイミングで出すにはまだ早い本かもしれないですね。
FF11の世界がなくなったあとで、また読みたい二冊のうちの一冊でした。
もう一冊は、永田泰大さんの『ヴァナ・ディール滞在記』...名著。

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