2008年8月14日 02:18

『THE BLACK MAGES』ライブレポート

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土曜は鎌倉が舞台の某ゲームのイベントで鎌倉に行き、(その後TBMライブ)
日曜はテーブルトークRPGのマスターをやり(冒険の舞台は鎌倉の山奥)、
月曜は鎌倉の水上花火大会を見に行くという、自分どんだけ鎌倉好きですか。
ちなみに生まれも育ちも現住所も神戸です。

そんな中、鎌倉や神戸とは全然関係ない『THE BLACK MAGES』ライブレポートです。

THE BLACK MAGES III LIVE"Darkness and Starlight"
2008年8月9日 開場17:00 / 開演18:00 / 横浜BLITZ

当日からは間があいてしまって、皆さんの熱気も冷めた頃でしょう。
毎度のことですが、なかなかまとめる気力がわいてこない自分にがっかりだ!

レポートはいろんなところで出ていると思うのですが、
ファミ通.comのものは写真もたくさん載ってて、(もちろん一般客は会場内撮影禁止)
演奏後のメンバーへのインタビュー動画もあって楽しいです。おすすめです。

ちなみに、ライブ中にもバンドリーダーの植松伸夫さんが話していたのですが、
なんと池袋でのドラゴンクエストコンサートと同日開催だったのでした。
「そんなお忙しい中、なんと2階席の最前列にすぎやま先生が来てくださってます」
との植松さんの言葉に、1階のお客さんがいっせいに振り返って2階席を見ると、



「アホが見ーるー♪」

植松さん(笑)

そんな一幕もあった横浜BLITZでの今回のライブ。

5時に開場ということで、4時半に横浜駅で友人と待ち合わせだったのですが、
4時頃ついてしまったので、先に会場の様子を見に行くと、
すでにグッズ販売が始まっていました。

ライブに関係するCDのほか、
ライブ限定のグッズとしてTシャツ・パスケース・手ぬぐいが。
5000円以上の購入でポスターがもらえましたが(4月のイベントでもらえたのと同じ)、
限定グッズを3つ買うとちょうど5000円になるという、粋な? 計らいも。
まあ、筆者は手ぬぐいしか買いませんでしたけどね!
その後のライブでさっそく使いましたけどね!

あとは、CDを買うと、先日の『DK∑3713』と同じように、
オリジナルトートバッグがもらえたかも?(未確認ですが持ってる人が多かったので)

1階はスタンディング、2階は指定席という形になっていましたが、
スタンディングのチケットには整理番号というのが書いてあって、
その順番に入場ということで、開場時間になってからお並びください、とのアナウンス。
とはいえ、まあ1000人を超えるお客さんが来ていますから、
5時になってから番号順に入場を開始してもなかなか入れないのでした。
結局番号順に行列を作ってましたし。
どうせ並ぶなら、早いもの順のほうが公平って気もしますが、
個人的には、並ぶ時間が短いぶん、ちょっとはマシなシステムかなと思います。
といっても自分の整理番号は700番台後半とかでしたけども。
(入場が700番を越えてから入口に向かったのでほとんど並んでなかったり)

1階はスタンディングということで、あまり隙間がなく入った感じになりました。
会場内での移動や連絡をとるのが困難になってしまいましたが、
まあ、不快になるほどぎっちりではなく、一体感という意味ではちょうどいいぐらいかも。


開演前

前説には、植松さんファンとFF11ファンにはおなじみ、片山"Destiny"理恵子さん。
ライブタイトルからカミカミ状態で、諸注意などを話し始めます。
開演前のこの時点で、手ぬぐいはもう売り切れてしまったとか。
「でもTシャツとかパスケースとか、あと...えー、売ってるもの全部買ってってください」
片山さんの説明は全体に雑なんです(笑)

メンバーへの掛け声への確認。ファンにはすでにおなじみですが、
リーダーの植松伸夫さんへは「ノビヨー!」
動くギターの岡宮道生さんへは「ミッチー!」
ドラムの羽入田新さんへは「ハニー!」
動かないギターの関戸剛さんへは「PTAー!」
ベースの河盛慶次さんへは「ニコラスー!」
そして、専門学校講師に就任した福井健一郎さんへの掛け声は、
それまでの「フクイー!」から「フクイしぇんしぇー!」に変わるそうです(笑)

最後に手拍子の練習ですが、
片山さんがいつもの無茶振りを受けてアカペラで歌うことになり、
FFのテーマ曲をがんばってワンコーラス歌ってらっしゃいました(笑)
しかしTBMの曲は変拍子が多いので手拍子も大変そう。


CELLYTHM(チェロ四重奏)

まずオープニングアクトに登場したのは、意表を突いて、チェロを持った4人組。
しかも、演奏したのはすべて激しい戦闘曲でした。
(FF6の通常戦闘、FF7の通常ボス戦、FF5のビッグブリッヂ、という3曲)

植松さんはこのバンドについて、インタビューでこう表現しています。
「女性チェロ奏者4人の演奏、しかもマーシャルのアンプを通して歪ませて、
それでゲーム音楽っていう、クラシックの綺麗な音とは真逆のことをやってみた」
でも、女性が4人集まらなかったそうで男性が1人いるのでしたが(笑)

それで思い出したのが、昔、植松さんがラジオ番組(ネットじゃなくて電波の)で、
北欧のチェロ+ドラムによるメタルバンドを紹介していて、面白かったのでした。

それにしても、チェロという楽器って、
ズンズン重いリズムセクションと、感情を込めたメロディーラインと、
両方を完璧にこなせてずるいなあと。まあ、そのぶん大変そうでもありますけどね。
音部記号で言っても、ヘ音記号・ハ音記号・ト音記号を全部使うし(笑)

珍しい形態の演奏に、観客はみんなじっと聞き入っていたのでしたが、
フロアーの空気はもうこのあたりでかなりあたたまってきた感じでした。


ante(2人組DJ)

次に登場したのは、先日アルバム『FINAL FANTASY REMIX』が発売されたばかりの、
イギリス人Ian Hartleyさん・イタリア人mattbさんによるユニット、anteによるDJプレイ。
曲目はすべてアルバムに入っていたものですが、リミックスはちょっと変わってた?
・プレリュード (FFシリーズ全般...でもアルバムではFF2の表記)
・Liberi Fatali (FF8)
・Ronfaure (FF11)
・Blue Fields (FF8)
・マンボ de チョコボ (FF5)
・Maybe I'm a Lion (『THE BLACK MAGES II The Skies Above』より)
こんな感じの流れで、ノンストップでずっと流してました。

先にアルバムで聴いていて、
どうもリミックスの意図というか文脈みたいなものがつかめなかったのですが、
こういうフロアーで流れるのを聴いて、リミキサーの意図した空気がつかめた気がします。
ただまあ、イベントの性質上、観客は手拍子してじっと聴いているだけでしたが、
これはそういう音楽ではなくて、
フロアーにただ流れていて、そこで騒いだり踊ったり飲んだりするためのものですよね。

とはいえ、ああいう場所で、大音量でロンフォールの音楽が流れるとなんだか愉快で。
原曲はもちろん何百回も聴いてますが、この曲でほろっときたのは初めてかも。
ちょっと泣きました。ロンフォールっていい曲だったんだなあ...超いまさらですが(笑)


休憩
ここで15分間の休憩、というアナウンスに、観客は「えー!」という反応。
まだ主役が登場してないじゃん、という感じで。
それはそれとして、片山さんは相変わらずカミカミで、
「グッズを販売中です、どうぞお気楽に...えー、お気軽にご覧ください」

でも、移動すると戻ってこれなさそうで、観客、あまり動かず。


Opening-Bombing Mission(オープニング~爆破ミッション / FF7)
休憩をはさんで、ついにはじまります。
舞台上に浮かびあがる6つのシルエット、あのとんがった帽子は!(笑)
という感じでメンバーが登場し、そのまま演奏開始。
ここまでにいろいろと聴いて盛り上がりつつ、待たされつつだった観客は、
もう1曲目から大盛り上がりでした。
岡宮さんが前に出てきて派手なギターソロを披露するたびに激しい拍手が。
それ以外の時間は、リズムにあわせて手拍子をしている人が多かったです。


Premonition(FF8)
オルガンソロやキーボードソロなどもあって、みんなじっくり聴き入っている感じでした。
曲後半で変拍子が入ってきたりして、手拍子するのは難しい曲ですし。


Grand Cross (最後の闘い / FF9)
いちど、入りをとちったのか、ギターしか鳴らずにやりなおし。
植松さんの「ハニーがんばれ! フクイしぇんしぇいがんばれ!」という声に、
観客からも声援が飛びました。あと笑い声と。
岡宮さんはトーキングモジュレーターという新兵器を出してきてこの曲で使ってました。
ギターの音に、マイクの声でエフェクトをかけてる感じでしょうか。
一時期、流行ったけど今はあんまり使われていないのだそうです。


MC
ここでは植松さんがずっとしゃべっていて、メンバーは休憩。
CELLYTHMとanteの紹介とか、すぎやまこういちさんが来ているという嘘とか(笑)


The Extreme ~ Force Your Way (FF8)
アルバムでは、原曲の構成に合わせてだんだん激しくなってくるアレンジでしたが、
岡宮さんによる新アレンジによって、イントロから強烈な演奏になっていました。
さらにそのままForce Your Wayへのメドレー。
スクリーンには、基本ずっと演奏中のメンバーの姿が映っていたのですが、
この曲で初めて、FF8からのゲーム映像がちょっとだけ入りました。


KURAYAMINOKUMO (最後の死闘 / FF3)
これも今年発売の3rdアルバムからの曲ではありますが、
ニンテンドーDS版FF3のサウンドトラックにボーナス曲として入っていたり、
1年前の『EXTRA』でも演奏していた、わりとおなじみの曲ですね。


メンバー紹介
羽入田さん:前の単独ライブから3年が経って、3つ歳をとったぶん、スタミナが不安とか。

河盛さん:「ぼくは会社員なので休日出社なんですが...最高の休日出社ですね!」

福井さん:スクエニを退社後、専門学校のしぇんしぇいに就任した福井さん。
「体験入学とかで、ぼくらみたいになりたいって人がけっこう来ますけど、
正直ね、やめたほうがいいですわ! こんなん大変ですもん。
でも、夢を追い続けられるっていう人は、是非来て下さい!」

岡宮さん:トーキングモジュレーターというエフェクターをつかって挨拶。
植松さんいわく「これ、本当かどうか知らないけど、脳が揺れてバカになるんだって。
あとで岡宮くんには1から10まで数えてもらおうか(笑)」

関戸さん:108のネタコーナーは後で...ということで、ここでは普通に自己紹介。

植松さん:4月のイベントで7キロやせる宣言をしたものの失敗。
「ライブやるとほんとやせると思うよ。毎日やろうかな(笑)」という発言に歓声が。


Assault of the Silver Dragons (銀竜戦 / FF9)
アルバムでは、イントロはギターから入ってましたが、
ライブでは羽入田さんの激しいドラムから始まりました。格好いいなあ。
この曲でも、FF9から、銀竜の群れが襲ってくる映像がちょっとだけ入りました。


Clash on the Big Bridge (ビッグブリッヂの死闘 / FF5)
1stアルバム収録、ライブの定番曲ですね。
TBMのアレンジでは、イントロがFF5の原曲と全然違うのですが、
ファンなら流れ始めた瞬間にビッグブリッヂと分かる...ってわけで、歓声が。


Distant Worlds (FF11)
岡宮さんがガットギターに持ち替えるということで、
熱でチューニングが狂いやすいガット弦を調弦してからスタート。
福井しぇんしぇいのしっとりしたピアノで始まり、
途中から岡宮さんの艶っぽいギターがからんでいきます。
この辺で、タブナジアで歌うウルミアとそれを聴くプリッシュの映像が流れました。
オルガンメロディーも挟みつつ、だんだん盛り上がってきて、
間奏部分は、アルバムでの笛が、ライブではベースでの演奏になってました。
さらに遡って原曲ではチェロだったので、むしろ原曲に近づいた感じですけども。
そして、満を持して登場する、関戸さんの魂のリードギター。
アルバムで何度も聴いていましたが、この生演奏には震えましたね。
これからのライブでも続けてほしい曲です。


MC
「人間には108つの煩悩があると申します」という植松さんの紹介で始まる、
おなじみ、関戸さんのトークコーナー。
「こういう前振りにも慣れて、落ち着いたもんです」
ライブの練習中に起きた恐怖体験を話し始めたはずなのに、
なぜか「タクシーに乗るときは領収書をもらうのを忘れないように」という結論に(笑)

「今日、最後の曲です」という植松さんの言葉に、「えー」と叫ぶ観客。
しかし、そこで想定外のものすごい演出が待っているのでした。


Darkness and Starlight (オペラ~マリアとドラクゥ / FF6)
もともと、FF6のゲーム中、オペラハウスで催されているオペラなのでしたが、
FFのオーケストラコンサート等で、実際にオペラとして上演されたりしました。
この大曲のロックアレンジとアルバム収録だけでも意外だったのですが、
ここではなんと、演奏をバックに、激しい殺陣も交えた演劇による演出が。
演じるのは、劇団R:MIXの皆さん。
時田貴司さんの友人が主宰しており、植松さんがゲスト出演したこともあります。
下村陽子さん・伊藤賢治さん・岡宮道生さん・谷岡久美さんらが音楽を担当したり、
スクエニとは縁の深い劇団だったりします。
コーラスとナレーションには、アルバムと同じ清田愛未さんと郡正夫さんが出演。
俳優の皆さんは口パクで、実際には舞台の右端で3人のオペラ歌手が歌ってました。
この方々は2004年のFFコンサートからずっとマリア・ドラクゥ・ラルスを演じていて、
すっかりおなじみの太田悦世さん・渡邉澄晃さん・小田川哲也さんですね。
で、あと、演出を手がけられた町田誠也さんのブログ記事が興味深いです。
町田さん演じるラルス(スキンヘッドにマント)登場時には、観客から笑い声が(笑)
しかし、最初に舞台上に役者が登場したときには、しぜんに歓声が起きましたし、
ロックアレンジと演劇の融合はなかなか熱い感じで、うまくいっていたようです。


Neo EXDEATH (最後の闘い / FF5)
15分におよぶ演奏が終わり、盛大な拍手でメンバーを見送る観客...ですが、
もちろんアンコールがあります。
「まあ決まってんだけどね」などと言いながら再び登場した植松さんに大歓声。
3rdアルバムから、ここまでで唯一演奏されなかった曲
(ボーナストラックのピアノソロ『LIFE ~ in memory of KEITEN』は除いて)
が、アンコールでやっと登場。


Maybe I'm a Lion (FF8)
「もう一発いっちゃおうか!」という植松さんの言葉に大歓声が。
そして今日の最後の曲は、2ndアルバムからこの人気曲。
観客も最後の力を振り絞ってという感じで、拳を振り上げたり手拍子したり。


終演後
『LIFE ~ in memory of KEITEN』が流れる中、フロアーをあとにします。
筆者は、会場でお会いしたスパッチさんやたまねぎさんとそのへんでだべったり、
開演前に渡し忘れていた神戸土産のお菓子の差し入れを楽屋口に届けに行ったり。

会場にはいろんな方々がいらっしゃってましたね。
気づいただけで時田貴司さん、谷岡久美さん、野島一成さん、下村陽子さん、崎元仁さん、
元ナムコの佐野電磁さん(岡宮さんとDS-10つながり?)に現バンナムの椎名豪さん、
そしてもちろん、取材に来られていたルパン小島さん(お忙しそうでした)。

楽屋口に行ってた関係で、それらの多くの方は終演後にお見かけしたのですが、
もちろん、出演者の方々の姿も。
舞台上での前をはだけた姿に衝撃を受けたドラクゥ役の谷口賢志さん、
あの片目が半分隠れた髪型のまま、鋭い目つきで煙草を吹かす姿に、
「近づいたら斬られる!」とビビりましたが、お話してみると物腰柔らかな方で(笑)
anteのmattbさんは普通に日本語喋ってました。Ianさんとはお話しする機会がなく。
あとまあ、黒魔道士の皆さんはお馴染みのあのキャラのまんまですね。
ただ、劇団メンバーの体育会系ノリの影響か、いつも以上にハイテンションでした。

わたくし、手拍子やら拍手、それに振り上げた腕がくたくたになって、
テンションだけ高いまま、身体はぐったり状態でした。
でも、出演した方々は当然もっと疲れてるんでしょうから...すごいなあ。
あと、ライブのあと2日間ぐらい、左耳で耳鳴りが鳴ったままでした(笑)
治ってよかったよかった。

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