“ジラートの幻影 OST”の楽曲

おなじみチョコボのテーマのアレンジですが、「ジラートの幻影」から登場した曲です。
FF11の音楽の特徴でもある弦と木管を中心にした、軽快でやわらかな編曲になっています。
「Dash」とはチョコボに乗って駆けていく様子を描写したのでしょうか、
左のほうに足音らしいパーカッションが鳴り続けています。
作曲はもちろん植松伸夫さん、編曲は水田直志さん

ちなみに、「チョコボレーシング」というゲームで、
すでに「ダッシュ DE チョコボ」というチョコボアレンジ曲(編曲:伊藤賢治さん)があるのですが、
知らずに名づけたのか、曲自体はとくに関係が無いようです。

「Grav'iton(グラビトン)」は登場キャラクターの名前です。
「ジラートの幻影」「プロマシアの呪縛」で追加された地域での、いくつかのイベントシーンで使われます。
このようなシンプルながら旅情あふれる曲調はFF11の得意とするところで、
テレビの旅行番組ででも流れていそうな清々しい曲ですね。
作曲は水田直志さん。FF11では珍しい3拍子の曲です。

ゲーム内にある「船宿コーカバ」でもこの曲を聴くことができますが、
「古の夢」という曲名になっています。

聖地ジ・タを越え、滅びの神殿と畏れられる廃墟ロ・メーヴの奥に
神々の間(Hall of the Gods)はあります。
人知れずそこに立ち、向かい合う二柱の神像は女神アルタナと男神プロマシア。

アルタナが人類を創造し、プロマシアが獣人を創造した、とするアルタナ信仰を持つのが
ヒューム・エルヴァーン・タルタル・ミスラ・ガルカの5種族の「人類」。
一方、「人類」によって「獣人」と定義されたゴブリン・オーク・クゥダフ・ヤグード等の種族は
それぞれ異なった信仰を持っており、
また、アルタナ信仰の中でも国家間で教義の違いから宗教対立も生まれるなど、
複雑な歴史的・宗教的背景を持つのがFF11の世界たるヴァナ・ディールです。

そうした背景からか、神々しさの中にどこか不安も感じてしまうコーラス曲ですが、
男神の名を冠した「プロマシアの呪縛」でも重要なテーマとなりそうです。
作曲は水田直志さん


カザム――
エルシモ島の北端にある漁村。
約400年前に殖民したと伝えられる。ミスラの支族が村民の大半を占め、
狩猟や漁労を生業として暮らしている。
カザムは自治権を有しており、
族長ジャコが開く集会によって、様々な案件が決定されている。
(公式サイトより)

祖国を離れ、はるばるとジュノ大公国までやってきた冒険者は、
そこを拠点にして、様々な辺境の地へ旅立つことになります。
2つの大陸からは南東に位置するエルシモ島へは、
ジュノの港から、飛空艇に乗って行くことができます。

エルシモ島は、火山地帯を除く大半が熱帯雨林となっている、
暖かく水の豊かな島です。
飛空艇から、南の島に降り立った冒険者は、
初めての南国の空気を呼吸し、独特の音楽に耳を傾けるでしょう。
作曲は水田直志さん

波の音が響き、水と果物が豊富にあり、
猫のような耳と尻尾を持つ、ミスラ族の女性ばかりの港町は、
バカンスには最高の土地かもしれません。
しかし、一歩でも町を出れば、冒険者たちにとっては
手強いモンスターが数多くうごめく、冒険の舞台となるのです。

ノーグ(Norg)は、海に向かって開けた洞窟状の港ですが、海賊たちが根城としています。
それだけに、ちょっとおっかない会話が聞かれることも。
しかし、国家に縛られず、世界を股にかける冒険者たちは、ここでは割と歓迎されているようです。
また、冒険者にとっても、東方から届いた品物が並ぶ数少ない場所であるため、
もちつもたれつの関係でうまくいっているのでしょう。

そんな海賊たちのテーマともいえるこの曲の、作曲は水田直志さん
ちょっと一筋縄ではいかなさそうな、でもどこかユーモラスな曲ですが、
この方向でのさらなる発展形が、
「プロマシアの呪縛」に収録された「Moblin Menagerie - Movalpolos」という曲であるように思います。


聖地ジ・タ――
ミンダルシア大陸の北端リ・テロア地方の、陸からの入口にあたる鬱蒼とした針葉樹林。
樹齢数千年を数える大木も珍しくない森の中は、少量の日光しか届かず、昼なお暗いが、
時折、点在する岩の先端部が発光し、辺りを不気味に照らし出す怪現象が見られる。
このような超常現象のせいもあってか、この地はヴァナ・ディールの人々に神域と信じられており、
ロ・メーヴへの巡礼者と不信心なゴブリンの追い剥ぎ以外、長い間、訪れる者は稀だった。
(公式サイトより) →公式サイト

聖地と呼ばれる割に、シナリオ的には、あまり重要な出来事は起きず、
何かをしにいくというよりも、そのための通り道となることのほうが多いでしょう。
しかしそれゆえに、あまり人もいない、のんびりと散歩をするにはいい場所です。
深呼吸をしたくなる、静かな森です。
人里離れた、神秘的な現象の起きるこの場所にふさわしい、
哀愁のただよう曲は水田直志さんの手によるもの。

ただし、最近まで、誰も足を踏み入れていなかった場所であるだけに、
熟練した冒険者でなければ、危険もそこそこにありますので、森林浴の際はご注意を。

「Tough Battle #2」はそのままな曲名でボス戦の曲(その2)。
「ジラートの幻影」で追加されたエリアでのボス戦で使われるはずです。
FF11での召喚士は、昔のFFで主流であった手段と同じに、
シヴァ、イフリートといった神獣を倒していくと召喚獣として召喚できるようになりますが、
その神獣との戦いで流れるのもこの曲です。

FF11の音楽の中でも、ボス戦や、その他緊迫した場面で流れる曲は、
低音を重ねて重苦しい空気を作り出すものが多いですが、この曲もその1つです。
このような重苦しい曲はじっくり聞いているとしんどいですが、
この上に剣戟や魔法の詠唱、咆哮に炸裂音が重なることで最高に格好良くなるのが
とてもFF11らしい曲であります。
作曲は水田直志さん

ゲーム内にある「船宿コーカバ」でもこの曲を聴くことができますが、
「暴威」という曲名になっています。