“バトルBGM”の楽曲

「Awakening」とは「覚醒」。Shadow Lord(闇の王)との戦闘曲です。
「ジラートの幻影」以前のメインシナリオにおける最終ボス戦でもあります。

FF11プレイヤーの間では1,2を争う・・・あるいは、
もしかすると、ダントツで首位を走る、ほどの、
この人気曲を手がけられたのは、
『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』等の曲を手がけている谷岡久美さん
FF11の戦闘曲の中では唯一、水田さん以外の方が手がけられています。
曲の半分は打楽器では、と感じるほど、激しいビートの嵐は、
谷岡さんの楽曲としても、FF11の楽曲としても、特に異彩を放っています。

かつて、FFシリーズといえば、長い長いラストダンジョン、
と言われた時代があります。
最初に選べる6つのジョブ(職業)が、FFの第1作目と同じである、など、
明らかに初期のFFシリーズを意識した面を多数持つ、FF11というゲームですが、
「ジラートの幻影」発売以前でのラストダンジョンともいえる、
闇の王の許へたどり着くまでの長い道のりも、
あるいは、かつてのFFシリーズの継承なのでしょうか。

その長い道のりを、道中で流れる楽曲の曲名で表すと
「Xarcabard」~「Castle Zvahl」~「Shadow Lord」となりますが、
寂しく恐ろしい雰囲気を次第に盛り上げていきこの場面に到達する道のりは、
グラフィック・音楽とも、このゲーム中随一の演出ではないかと思います。

「Black Coffin」とは「漆黒の柩(ひつぎ)」。
漆黒の柩とは、幽霊船・アシュタリフ号の異名であり、そこで行われる戦闘にこの曲が使われています。
幽霊船の調査を依頼された冒険者は、幽霊船を操る謎の男を目撃し、その手下と戦闘することになります。
ただ、ここではプレイヤーが操作するキャラクターだけでなく、
コンピュータが操作する助っ人キャラクターと一緒に戦うということもあり、
それほどシビアな戦闘ではなく、イベントシーンの延長上といった雰囲気もあります。
そういった理由で、他の戦闘曲とは異なり、遅めのテンポで情景を描いている曲です。
そのほか、この不穏な曲調を活かして、クエスト中のイベントシーンでも使われている場面があります。
作曲は水田直志さん。

コンフリクトとは、プレイヤーキャラ同士が対戦するFF11内のゲームのこと。
オンラインゲームでできることといえば「協力」と「対戦」ですが、
直接の「対戦」ができるゲームは、FF11ではサービス開始後2年を経て追加され、
さらに、「プロマシアの呪縛」からコンフリクト専用の戦闘曲2曲も加えられました。
これはそのうちの1曲です。

「攻め」が中心となるモンスター相手の狩りとは異なり、
人間同士の対戦では、ときにはクールに「守り」や「逃げ」も必要となります。
そうした心理的駆け引きのゾクゾク感を表すような、
FF11では珍しい縦ノリ系の曲となっています。
作曲は水田直志さん

「Delve」とは「探求」。
『アトルガンの秘宝』で追加された、ダンジョンエリアでの通常戦闘曲(パーティを組んでいる時のみ)です。
『ジラートの幻影』までの命名法にもとづけば、この曲は「Battle in the Dungeon #5」ということになります。

"「『FFXI』のバトル曲は、こういう感じ」というのがようやく自分の中で固まってきました。
これまでの通常バトル曲と構成は同じですが、
比較的長い時間聴く曲なので、プレイヤーが飽きないように心がけています。"
作曲:水田直志さん (「ヴァナ・ディール通信 アトルガンの秘宝特集号」エンターブレイン発行 より)

「プロマシアの呪縛」で追加されたダンジョンエリアでの通常戦闘曲(パーティを組んでいる時のみ)。
舞台は、「虚ろ」なる、ひとの『心の深淵』へと導かれます。
しかし、FF11の音楽を聴いてきた人ならば、この曲は
「Battle in the Dungeon #4」と呼んだほうがしっくりくるでしょう。
このように今までと違う曲名がつけられているのは、
これまでのFF11と区切りをつけた
「プロマシアの呪縛」というひとつの作品として扱おうとしているのでしょうか。
ストーリー上もそのような工夫がみられます。

とはいえ、曲自体は他の通常戦闘曲と同じトーンで、
やや引いた視点から戦闘を見ているタイプの曲です。
FF11の通常戦闘は、アクションゲームのように
野原や洞窟といったフィールド上でそのまま行うため、
戦闘が始まるたびに温度の高い曲が流れると
プレイヤーは、燃えるよりもかえって疲れてしまうのでしょう。
作曲は水田直志さん

『アトルガンの秘宝』で新たに加わった、ビシージという戦闘で流れる曲です。

ビシージ(Besieged)とは「篭城戦」を意味するが、
アトルガンでは、皇都まで蛮族軍の侵入を許した時、
皇国軍より発令される第一級戒厳令によって始まる、
「市街戦」をも含む「防衛戦」の総称である。
第一級戒厳令が発令されると、現地にて武器を取って戦える者は強制的に徴用され、
皇国軍と共に皇都アルザビ防衛の任に当たることを求められる。
ただし、防衛戦といっても、
度重なる蛮族の襲撃によって、既に皇都の塁壁防衛ラインはずたずたに寸断されているため、
実際は人民街区を主戦場とした激しい「市街戦」が中心となるだろう。
(公式サイト『アトルガンの秘宝』ページ、ビシージの項より) →公式サイト

「Fated Strife」とは「宿命づけられた争い」。
その名の通り、ビシージが始まると、その場にいる冒険者は、否応なしに参加することになります(離れることはできます)。
さらに、他の戦闘曲と違い、剣を抜かなくても、その場にいるだけでずっとこの曲が流れています。
そのため、テンポも曲調も他の戦闘曲と大きく異なっています。
作曲は水田直志さん

魚釣りのゲームはFF11のサービス開始当初から存在し、
世界中の釣り場、釣り竿、釣り餌、そして釣りの腕前を考えて狙った魚を釣るという、
知識と経験がものをいう遊びですが、
そのシステム自体はシンプルで、釣竿を垂らし、何かがかかったら○ボタンを押すだけでした。

2005年の始めごろ、魚釣りのシステムに対して大幅に変更が加えられ、
魚がかかりやすくなった代わりに、スティック操作でかかった魚と格闘する要素が加わりました。
当初は、格闘中の曲として、既存の「Battle Theme」と「Battle in the Dungeon」が使われていました。
(通常の戦闘と同じく、フィールドエリアとダンジョンエリアで使い分けられていました)
その後、魚釣り専用の曲が2種類追加され、流れるようになりました。
この曲は、比較的小さな魚や、ガラクタがかかったときに流れる曲です。

小さい魚は、種類にもよりますが、全般に大きな魚よりも釣り上げやすいためか、
トロピカルで、どちらかというとのどかな雰囲気をただよわせる曲になっています。
作曲は水田直志さん

「Onslaught」とは「猛襲」。
「プロマシアの呪縛」で追加された、ダンジョン以外のエリアでの通常戦闘曲(パーティを組んでいる時のみ)。
これまでの曲名の命名法からすれば、この曲は「Battle Theme #4」となりますが、

"海外の『FFXI』の掲示板とか見てると、
外国の方でも曲に興味を持って、サントラが欲しいという意見も多かったんです。
それで今回、初めてきちんとした英語のタイトルをつけてみました。"
(「週刊ファミ通」2004年12月3日号より)

とのこと。

そのためではないでしょうが、この曲は通常戦闘曲の中では珍しく長いイントロがあり、
気分を徐々に盛り上げていく構成ができているため、
他の通常戦闘曲よりも温度が高く感じられます。
少し違和感もありましたが、繰り返し聴く曲なので、いずれ馴染んでいくものです。
作曲は水田直志さん

「Rapid Onslaught」とは「急襲」。

アサルト(Assault)とは「急襲作戦」を意味する。
敵地に少数の精鋭部隊を送り込み、一気に敵を叩くことを目的とした作戦のことだ。
「傭兵」となった冒険者が参加するには、
まず公務代理店に行き、作戦リストを見て、自分に合った任務を選ぶことから始まる。
作戦を決めたら、次に任務完遂に必要な傭兵仲間を集める。
後は、現場に急行して敵地に潜入。さまざまな任務を遂行するのだ。
(公式サイト『アトルガンの秘宝』ページ、アサルトの項より) →公式サイト

"プレイヤーを応援する、進軍している感じを込めて、 これまでのバトル曲とは少し存在の異なる楽曲にしました。" 作曲:水田直志さん (「ヴァナ・ディール通信 アトルガンの秘宝特集号」エンターブレイン発行 より)

『アトルガンの秘宝』は、バトルを主軸においた拡張データだそうですが、
それを象徴するのが、「ビシージ」と、この「アサルト」という、2つの、新しい形式の戦闘です。
その中で、この「アサルト」は、たくさんの人がいる広いフィールドの中でモンスターを探して戦うのではなく、
あらかじめ戦闘のために用意されたエリアに、決めておいたメンバーだけで入り、
その中で様々な戦術を用いて、それぞれのエリアで定められている目的を達成するものです。
イメージとしては、『ファンタシースターオンライン』や、『モンスターハンター』といったゲームのような
「閉じた世界」を、FF11の世界の中で一時的に作るという感じです。

FF11の中でいままでなかったタイプの戦闘だけに、
そこで流れる戦闘曲も、いままでのFF11にはなかったタイプの曲です。

アルタナ連合軍と獣人血盟軍が戦争を続けている、過去の世界へ飛ばされた冒険者。
そこでは、アルタナ連合のいずれかの国の軍を選んで、傭兵として所属し、獣人軍と戦うことになります。

"カンパニエops"とは、傭兵となった冒険者が軍から指令を受けて働くミッションの総称です。
物資の調達や不審物の捜索といったものから、大規模な戦闘作戦まで幅広い指令がありますが、
ある程度大きな指令の場合、特殊なエリアに赴いて遂行する場合があります。
『アトルガンの秘宝』における"アサルト"に似たシステムですが、
そうした専用エリアでは、"アサルト"と同様に、通常とは異なる戦闘曲が流れます。

曲の構成そのものは「Fighters of the Crystal」によく似ていますが、
サビの部分は、これまでのFF11の戦闘曲にはない、明るく前向きな曲調で、新鮮です。
作曲は水田直志さん。

魚釣りのゲームはFF11のサービス開始当初から存在し、
世界中の釣り場、釣り竿、釣り餌、そして釣りの腕前を考えて狙った魚を釣るという、
知識と経験がものをいう遊びですが、
そのシステム自体はシンプルで、釣竿を垂らし、何かがかかったら○ボタンを押すだけでした。

2005年の始めごろ、魚釣りのシステムに対して大幅に変更が加えられ、
魚がかかりやすくなった代わりに、スティック操作でかかった魚と格闘する要素が加わりました。
当初は、格闘中の曲として、既存の「Battle Theme」と「Battle in the Dungeon」が使われていました。
(通常の戦闘と同じく、フィールドエリアとダンジョンエリアで使い分けられていました)
その後、魚釣り専用の曲が2種類追加され、流れるようになりました。
この曲は、比較的大きな魚や、モンスターがかかったときに流れる曲です。

釣竿にかかった魚と格闘する、という状況がいままでのRPGではあまりなかったので、
極端な言い方をすれば、アップテンポの曲ならなんでも合うとは言えますが、
この、スティールパンやティンバレスなど軽快な音を多用した曲は、
作曲者の水田直志さんの、好みでもあるのでしょうか。

『アトルガンの秘宝』サービス開始から1年半ほどが過ぎた2007年9月、このような告知が掲示されました。

アトルガン聖皇により長らく禁じられていた闘獣試合「パンクラティオン」が、
熱き要望に応えて開幕の運びとなりました。
「パンクラティオン」とは、
魔獣マスターと称される人々が強化したモンスター「魔獣」を持ち寄って、
闘獣場のステージで闘わせる無差別級のリアルファイト。
噛み付き、ブレス、魔法など、なんでもありの過激なノールールで知られています。
さあ、あなたも自慢のモンスターを引き連れて、
このデンジャラスでエキサイティングな魔獣たちの祭典に参戦してみませんか?
(公式サイト『TOPICS』より) →公式サイト

「Colosseum」とは、もともとは古代ローマ時代に建造された円形競技場のことですが、
アトルガン皇国の皇都アルザビにあるものは現在、モンスター同士を戦わせる"闘獣試合"の会場となっています。
闘獣試合は、FF11においては、
冒険者同士による模擬戦"コンフリクト"、育てたチョコボを競争させる"チョコボサーキット"に続く、
3つ目の、プレイヤー同士が対戦できる要素です。(→詳しいルール

作曲は水田直志さん。音楽的には、
同じくプレイヤー同士の対戦に用いられる『Conflict: You Want to Live Forever?』を継いでいるとはいえますが、
数々の新しい試みを取り入れている『アトルガンの秘宝』の中でも一風変わった曲です。
特に後半の、2コードのみを用いたインプロヴィゼーション(即興演奏)風の展開は今までになく、新鮮な印象を受けます。

サービス開始初期から存在するエリアやストーリーでの、ボス戦で使われる曲です。
FF11メインシナリオの最初の山場、ドラゴン戦で初めてこの曲を聴くことになります。
敵を倒すことで手に入る「印章」を集めて、金銀財宝を持つボスモンスターに挑戦するときも、
この曲が流れる場合が多いでしょう。
作曲は水田直志さん

最初のボス戦曲でもあり、ほとんどのボス戦曲と同じように、
地の底から煽るような重苦しい曲になっています。
FF11のボス戦は、大勢のプレイヤーで挑むだけあって、巨大なモンスターが多いので、
このような地響きの聞こえる曲はぴったりです。

ゲーム内にある「船宿コーカバ」でもこの曲を聴くことができますが、
「獣たちの進撃」という曲名になっています。

「Tough Battle #2」はそのままな曲名でボス戦の曲(その2)。
「ジラートの幻影」で追加されたエリアでのボス戦で使われるはずです。
FF11での召喚士は、昔のFFで主流であった手段と同じに、
シヴァ、イフリートといった神獣を倒していくと召喚獣として召喚できるようになりますが、
その神獣との戦いで流れるのもこの曲です。

FF11の音楽の中でも、ボス戦や、その他緊迫した場面で流れる曲は、
低音を重ねて重苦しい空気を作り出すものが多いですが、この曲もその1つです。
このような重苦しい曲はじっくり聞いているとしんどいですが、
この上に剣戟や魔法の詠唱、咆哮に炸裂音が重なることで最高に格好良くなるのが
とてもFF11らしい曲であります。
作曲は水田直志さん

ゲーム内にある「船宿コーカバ」でもこの曲を聴くことができますが、
「暴威」という曲名になっています。

「Turmoil」とは「混迷」。「プロマシアの呪縛」で追加されたエリアでのボス戦で使われます。
これまでのストーリーでは、世界の枠の中で様々な強敵と戦ってきましたが、
今回は、世界の存在そのものを揺るがすような戦闘になっていきそうな展開です。

同じボス戦闘曲である「Tough Battle」「Tough Battle #2」では
規則正しいリズムによって、地の底から煽るような重い曲になっていましたが、
こちらは曲名通りの乱れたリズムで、荒ぶる神との戦いを予感させるものです。
作曲は水田直志さん